先代からの所有物の取り扱いについて!
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不動産を財産として考慮することが重要
前回のブログは『賃貸物件に居住された方』が『認知症』が発症された事案でした
今回のブログは『所有不動産』の処分の内容になります。
『居住用不動産』を売却される場合は、特に注意が必要になります。
事例)ご両親所有の不動産に関する相談ですが、母御さんは既に他界されており、父御さんは脳出血にて介護施設にて生活しております。
父御さんは、自宅の他に遊休地等を含む複数の不動産を所有しており、その内の賃貸アパートを自ら管理していましたが、資産総額は1億円前後を想定しております。
この不動産をどう活用したら良いのかのご相談です。
1,最初の手続きについて
父御さんは、現在 介護付きの施設に入所される手続きをされますが、個人資産も御座いますので、生活面は問題なさそうです。
しかしながら、自らが管理していた賃貸アパートについては、経営の継続は困難になり、遊休資産の放置は近所に迷惑がかかることで、何らかの対応が必要になります。
介護施設に入所されております、父御さんは、自らの力で財産処分する能力は難しいものです。
このような事例は、財産の管理・処分は、裁判所に成年後見人を選定した頂き、その後見人が判断することになります。
2,賃貸アパートの管理について
賃貸アパートは、父御さんの重要な資金源になりますので、適切に管理して賃料収入を確保する必要が有ります。
そのように対処する後見人も多いのですが、賃貸アパートが老朽化していて、借手がいない場合は、修繕費用がかさんだりして売却も検討する必要が有ります。
3,遊休不動産の活用について
賃借人が居ない不動産は、賃貸が可能で有れば賃貸に回すことが重要です。
更地の物件については、駐車場として活用する場合は、土地が荒れるのを防止できることと、それなりの収益方法になります。
父御さんの成年後見人は、事業家では有りませんので、大きな収益は期待できませんが、どのような資産運用が可能であるのか、親族との話し合いが重要となります。
4,不動産の売却について
父御さんの不動産を売却処分する場合、被後見人が不動産を所有している場合、被後見人が居住していた不動産(居住用不動産)を処分する場合、家庭裁判所の許可を要しますが、それ以外の不動産処分は『許可は不要』であるため、売却して現金化することは可能になります。
後見人のみの判断で、居住用不動産以外の不動産処分は可能です。
ここは日本の法律で定められておりますが、後見人としては許可が不要として財産処分できないもので、後見人には民法の委任の規定が準用され、善管注意義務が課されております。
【民法第852条による民法第644条の準用】
ここでいう『善管注意義務』とは、善良なる管理者の注意義務のことで、財産管理にあたり他人の財産として自分のものより一層大切に管理すべきとされています。
不正行為や著しい不行跡があるなど、後見の任務に適さないときには後見人を解任され【民法第846条】、その行為により被後見人に損害を被った場合には、損害賠償の責任が生じます【民法第709条】
また財産管理にあたり、被後見人の意思を尊重し、その心身の状態及び生活状況に配慮する義務もあります【民法第858条】
従い、被後見人の財産を処分する場合には、処分の必要性・財産のバランスなどを十分考慮したうえで慎重に行うようにしなければなりません。
複数の不動産を処分する場合に、賃料収入があがる収益アパートと無住の管理費用がかかる不動産であれば、処分によって得られる金額の必要性なども考慮し、問題がなければ賃料収入のある方を残す適正な処理が求められます。
5,親族の意向について
父御さんの所有不動産が、そのご子息の生家である場合、近い将来、被後見人を相続する方としては、中々ご売却に踏み込めないことも多々あります。
最近、お会いさせて頂いております方々は、このような相談が多いものです。
居住用以外の不動産処分は後見人の権限に属し、親族の意向が必ずしも常に後見人の判断に反映しないものです。
しかし、このような場合、ご子息が望まないことを被後見人である父御さんが強く望むことは有りませんので、被後見人の意思を考慮する意味でも、望ましい財産管理がなされる工夫が大切になります。
何れにせよ、後見制度は被後見人が、より良い生活を送るための制度であるので、後見人と被後見人の関係者達はよく話し合うことが必要になります。
居住用不動産を処分する場合として、第三者への賃貸・使用賃借・家屋の取り壊し・抵当権の設定などがあり、これ等の行為をする場合、家庭裁判所の『居住用不動産処分許可』が必要になります。
以前、巨額の不動産詐欺事件が、ニュースでも報道されましたが、成年後見人の方の確認することが必要不可欠になります。
成年後見人であることは、法務局に登記されますので『登記事項証明書』が、成年後見人に選任されたことを示す書類になります。
その書類と一緒に運転免許証等で本人確認書類も提示してもらえば、その方が本当に成年後見人であるかを確認することが重要です。
先ずは手続きを把握して対処することが重要です!

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