契約者の『確認書類』について①
ご契約時にご持参頂く書類は『本人』確認のためです!
取引には最低限の確認書類が必要です!
令和も早いもので7年目、6月に入りましたが、温度差が激しく変化し体調の悪い方も多いものです。
不動産取引は、各ご家庭の事情も有り、購入されたのに後に、ご売却や、買い替えされるご家庭も多いものです。
例に挙げると、キリが無いのですが家族構成の変化、体調の変調などご都合も御座います。
今回のブログは、『ご契約時にご持参頂く書類』について、分かり易く考察したいと思います。
1,契約者が『個人』の場合
①契約当事者が『未成年』の場合
確認書類
❶戸籍謄本
❷親権者の印鑑証明書
『未成年』と知らずに契約締結すると『取り消し』になることが有ります。
契約を有効にするには
『親権者若しくは未成年者後見人』を代理人にする。
原則として父母が共同して親権を行使します。
一方が親権を行使できない時には他方のみでも良いとされております。
また、両方とも親権を行使できない時は、裁判所に特別代理人(未成年後見人)を選任してもらう必要が御座います。
親権者と未成年者の利益が相反するようでは、裁判所に特別代理人を選任してもらう必要が有ります。
平成24年4月1日の民法改正により、複数の者や法人を成年後見人として選任できるようになりました。
成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする民法の一部を改正する法律が、令和4年4月1日から施行されております。
同日時点で、18歳以上20歳未満であれば、その日から成年扱いになり、同日以降に達すれば、18歳の誕生日をもち成年扱いとされます。
②契約当事者が『成年被後見人』の場合
確認書類
❶後見登記のファイルの登記事項証明書
❷成年後見人の印鑑証明書
『成年被後見人』と知らずに契約締結すると『取り消し』になることが有ります。
契約を有効にするには
『成年後見人』を代理人にする。
※成年後見人、保佐人、補助人が制限行為能力者に代わってその居住用建物、又はその敷地について売却・賃貸・賃貸借の解除、又は抵当権の設定そのほか、これ等に準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得る必要が有ります。
③契約当事者が『被保佐人』の場合
確認書類
❶後見登記のファイルの登記事項証明書
❷本人・保佐人の印鑑証明書
『被保佐人』と知らずに契約締結すると『取り消し』になることが有ります。
契約を有効にするには
保佐人の同意又は裁判所の許可を得る(保佐人に代理権が付与される時も有ります)
※成年後見人、保佐人、補助人が制限行為能力者に代わってその居住用建物、又はその敷地について売却・賃貸・賃貸借の解除、又は抵当権の設定そのほか、これ等に準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得る必要が有ります。
④契約当事者が『被補助人』の場合
確認書類
❶後見登記のファイルの登記事項証明書
❷本人・補助人の印鑑証明書
『被補助人』と知らずに契約締結すると『取り消し』になることが有ります。
契約を有効にするには
補助人の同意又は裁判所の許可を得る(補助人に代理権が付与される時も有ります)
※成年後見人、保佐人、補助人が制限行為能力者に代わってその居住用建物、又はその敷地について売却・賃貸・賃貸借の解除、又は抵当権の設定そのほか、これ等に準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得る必要が有ります。
⑤契約当事者が『代理人』の場合
確認書類
❶委任状(本人の実印押印)
❷本人の印鑑承継所
書類確認して『代理人』でないと、本人に効力が及びません。
契約を有効にするには
権限をはっきり表示した委任状を確認して、その範囲の契約を締結する。
本人の意思能力の確認、契約する意思の確認を徹底することが重要です。
⑥契約当事者が『相続人』相続による移転登記前の場合
確認書類
❶戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本等、全相続人が確定できる書類
❷遺産分割協議書若しくは遺言状
※相続人1人だけだと、契約してもその人の相続分以外は、効力を生じない恐れが有ります。
契約を有効にするには
❶相続人の全員と契約を結ぶこと
❷相続による移転登記の完了をもって不動産を取得した者と契約を締結すること
⑦契約当事者が『破産管財人』の場合
確認書類
❶個人の破産者に関する破産手続き開始の登記
❷破産手続き開始通知書
❸破産管財人の資格証明書
※破産手続き開始決定がなされ、破産管財人が選任されれば、破産者には管理・処分権はなくなります。
破産者から購入しても、無権限者からの購入になります。
破産手続き開始決定がなされ、破産管財人が選任された場合には、破産財団に属する財産の管理・処分権は破産管財人に専属されます。
【破産法第78条第1項】
契約を有効にするには
裁判所の発行する破産管財人選任及び印鑑証明書によって、不動産登記申請を行うことが出来ます。
法律上は、個人の破産者の破産財団に属する権利で登記されたもの(不動産登記)については、破産手続き開始の登記がなされていることに成りますが、裁判所の実務上はこの破産手続き開始の登記(不動産登記)は保留され、殆どなされることは有りません。
今回記載しました内容は、契約者が『個人』の場合をご説明致しましたが、次回のブログは、契約者が『法人・その他の方』について、考察したいと思います。

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