違反建築されている建物の登記は⁈
『行政処分』にはご注意ください!
『違反建築』といえど登記は必要です!
3月に入り暖かくなり、地域の方々に直接、挨拶廻りをしておりますが、ご挨拶ついでに色々なご相談を受ける機会も増えました。
その中で、即答できないご相談も有りまして、不動産の専門家としての回答をしなければならないことも多いものです。
今回のご相談内容は、『違反建築』に関する内容です。
1,行政処分について
現在は、建物の建築する際は『建築確認申請書』を必ず、各地方自治体に建築士が相談して提出し許可を取ることが、当たり前の手続きになっておりますが、古い物件は、建築確認申請を出して、中間・完了検査を取得されない時代も有りました。
都内は土地は、郊外に比べ当然のように高額になります。
私も、郊外出身者なので、都内では普通に『木造3階建て』の家が沢山あるので、驚いたのですが、長年都内に居住していると、高層マンションや大規模なビルを見慣れたせいか、気にしなくなりました。
そこで、ご相談内容は『建蔽率超過』と呼ばれる、建築面積を1割以上増やしてしまった家のご売却のご相談です。
元々、ご家族が多いこともあり、少しでも家の面積を増やしてユトリが欲しい事が理由で、当時の工務店に任せたことが起因とのことです。
貯金を叩いて建てたのですが、その建物が建蔽率に違反しており、色々と心配になったのがつい最近の様です。
建物の建築については、その土地(敷地)との関係で、その土地に家を建築出来るかどうか、また建築するにしてもどれ位の大きさ・種類・構造の家を建築できるかの制限があるものです。
この制限を規定している法が『建築基準法』ですが、そのほかに『風致地区』などについての定めをしている『都市計画法』『土地区画整理法』などの制限もおかれ、新築する場合、これらの法律を理解しておく必要が御座います。
不明な場合は、各区市町村の建築指導課(建築課)に必ず相談するのが一番確かです。
これらの制限の内、よく有るのが『建蔽率・容積率』の問題ですが、『建蔽率』は、土地の面積に対して何割(%)まで家を建築出来るかの比率ですが、各地域により違いが大きく変わります。
この『建蔽率・容積率』は、法令上一律に定められており、個々の場合についての特例は認められておりません。
また、此れに違反するとテレビニュースでも報道されたことも有るのですが、『建築物の除去・建物の使用停止』等の行政処分の対象や、罰金の制裁を加重されることが有ります。
それで、『建蔽率・容積率』の小さい土地に家を建築する場合、よく見受けられるケースでは、隣地が空いていることを形式上間借りしたり、敷地の面積を水増ししたりする建築業者も有りました。
但し、このような方法は『脱法行為』になりますので、当方から言えば財産価値・売却する際は、かなり難しい不動産扱いになります。
2,不動産登記はどうなるのか⁈
前項の内容『建蔽率・容積率超過』した建物でも、一旦それが完成した場合は登記する必要(完成後1か月以内)の法令も有りますので、登記しなければならないことに成ります。
『建蔽率・容積率』は、建築物の土地(敷地)、構造、面積などの関係において、公益目的から定められたもので、主として『地方公共団体』などが、この問題を所轄しておりますが、建物の登記は建物の現状や権利関係を明確する為のもので、法務局の所轄事項に属さないものです。
此処は重要ですが、『不動産登記法』によると、違反建築であるか否かに関わらず、建物を新築した時は、『建物の表示登記』を申請することが法令で決められております。
そして、その登記や登記申請の仕方は通常の場合と殆ど同様で、当該建物の所有者であれば『建物の表示登記』『所有権保存の登記』も、出来るものです。
最も建物の表示登記については、登記官に職務調査権がり、現場確認のなされる場合も有り、この調査も建物の表示に関する事項について行われ、『建蔽率・容積率』の違反の有無が目的ではありません。
『建物の表示登記』には、その建物についての所有権を証する書面を添付することになっており、此れには『建築確認書』が用いれられます。
『建蔽率・容積率』に違反し確認書のない違法建築でも、『工事請負人の証明書』や『固定資産税納付証明書』そのほかのもので、『建物所有者』であることを明確にすれば、登記することが出来ます。
但し、現在では不動産価格、特に土地が高騰しておりますので、高額な建築コストを現金で行うのも難しいもので、遵法性の高い手順で最終的に検査済証の発行するのが最善の策です。
因みに、違反建築の取引は『住宅ローン』が組めないことと、高金利の『貸金業』等でないと借入が出来ませんので、ご売却・購入する際は、調査することが重要です。

関連した記事を読む
- 2025/04/01
- 2025/03/30
- 2025/03/28
- 2025/03/25