補助制度について!
『日本居住されている外国籍の方が認知症』の場合⁈
『軽度の認知症』であった場合は⁈
此の所、私事ですが亀戸五丁目町会の役職が付いて、町会活動のお手伝いが加わり、町内の彼方此方に出歩くことも増えてきました。
亀戸地域は、古くから栄えている印象ですが、かなり広い地域になります。
古い地域と言いますと、ご高齢者、特に90歳代から70歳代の方々が多く生活されており、高齢化に伴う地域社会になります。
常に相談が多いものです。
1,ご相談内容
その方は、今年90歳代に入り、軽度の認知症の診断を受けておりますが、先日ご自宅で転倒されて2か月ご入院されたとの事です。
ご主人には先立たれて、ご家族(子供含めて)のいない方ですので、本人の代理人が不在とのことで、入院費・治療費・福祉サービスの利用契約の手続きが出来ず困惑しておりました。
そうこうしている中で、付き合いの薄い遠方の姪にお願いして、銀行から引き出し病院の手続きしたのですが、何分高齢であり、此れからの生活にも困難になると考えて、預貯金や不動産の売却資金等で、有料老人ホームの入所を希望されております。
ここで相談になったのですが、どうしたら良いのかのご相談です。
2,当方の考察と対応について
軽度の認知症で有ることですが、日常生活を送るうえで特に支障が無ければ、後見・補佐の利用する必要は無さそうですので、このような判断能力が有れば、家庭裁判所に申し立てても『後見・補佐の利用』は認められないと思われます。
今は大丈夫と思われても、認知症の進行は、現代の医療でも止められません。
同じ地域で多くの、認知症の方を御見受けしますが、初期・軽度の場合は財産の管理、福祉サービスの利用契約を締結する能力が有る場合でも、認知症が進行すると補助制度を利用するのが最善策であると思われます。
これは、精神上の障害により、物事を判断する能力が不十分であるとして、自分の能力に不安がある場合、家庭裁判所に財産管理を行う援助者である、補助人の選任を求める制度です。
後見や補佐とは異なり、判断御力が欠けているわけでも、著しく劣化していない人たちが利用する制度であり、この手続きの開始には本人の同意が必須となります。
申立ての範囲内で家庭裁判所が定める特定の法律行為について、本人が同意した場合には、補助人に同意権や代理権を与えることが出来ます。
しかも、補助人の同意が必要とされる行為について、本人が補助人の同意を得ていない行為については、取り消しすることも出来ます。
このように、補助では本人が必要と考える行為限定で、補助人に同意権・代理権を付与することに成ります。
そのため、日常生活に支障がなくても、多額の財産管理・有料老人ホームへの入所といった判断を適切に行うには、認知能力の不安がある場合は、必要以上に本人の権限を制約することなく、預貯金の管理(口座開設・変更・解約・振込依頼・払い戻し等)や、福祉関係施設への入所契約といった特定の法律行為に限り、補助人に同意権や代理権を与えて、本人を擁護し援助することを可能にする点では、有効な制度です。
補助開始の申し立てを行い、補助人の選任を求め、多額の預貯金の管理や有料老人ホームへの入所契約について、補助人に同意権・代理権を与えることが重要です。
但し、どのような行為について、同意権と代理権どちらかを与えることが適切かに関しては、能力・財産の種類、金額、生活態様を踏まえて慎重に検討したうえで、申立てを行う必要が有ります。
法律行為の特定の仕方が悪いと、いざという時になり補助人の同意権や代理権を否定される恐れがあるので注意が必要です。
3,外国人と成年後見制度について
日本に長年生活している方からも、色々な相談が有ります。
その方は、日本にて生活されている外国人の方ですが、外国人登録(永住権)のみで、日本国籍は未取得です。
年齢は70歳代なんですが、飲食店を経営されておりますが、認知症の初期症状が見受けられるとのことで、ご家族も心配されて主治医にご相談後、日本の成年後見制度を利用できるかどうかのご相談です。
以前は『法令』で、『国籍』に従うのが普通でしたが、判断能力に問題があっても本国法で保護されていない場合、日本の法令で保護するのは難しい状況になりました。
分かり易く言えば、外国人の場合『成年後見制度』は利用できませんでした。
しかしながら、平成18年にその『法令』が全面改訂され『法の適用に関する通則法』が制定され、外国人が本国法で保護されなくても、日本に住所または居所を有していると、日本の法律が適用が認可受けることに成りました。
要件を満たせば、日本の法律に基づき外国人に対して後見等の開始の審判をすることが可能です。【法適用通則第5条】
この『法令』や『法の適用に関する通則法』は、国境を越えた民事紛争を解決するときに、問題となっている国の法律の中から、どの法律を適用するのか決めた基準を定めたものです。
これ等の説明にて、外国籍の方々では何となく方向性が決まりました。
①日本に住所がある
②日本の家庭裁判所で、日本の法律に基づき後見開始の審判の申し立て
③再度、主治医・法曹に相談
こういった案件も増えていますが、日本の将来を危惧しますが、時代の流れでしょうか
私たち不動産業者では、深く解釈出来ない場合は有ります。
ご相談は何時でもお受けいたします。

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