『登記』の種類について②
『建物解体』したら1ヵ月以内に滅失登記が必須です!
今回のご説明は登記の基本です!
登記と一言で言っても色々な種類があり、専門家に任せる場合も有れば、なるべく低コストで登記するのも考えられます。
当方でも出来る登記もあるもので、その手法と期限についてのご説明したいと思います。
1,『滅失』の登記
土地が無くなったとして申請する『滅失の登記』も有りますが、一般的には、『建物』が無くなった場合にする登記が『滅失の登記』です。
取り壊しによる『滅失の登記申請』が普通ですが、火災そのほか、現実に建物が無くなった時には、『所有者は1ヵ月以内』に、その滅失の登記申請することになっております。
その後、建物を新築したような場合は、滅失の登記と新築の登記をする例も多いものです。
滅失登記がされると、登記簿は閉鎖されますので、担保権等が付いている場合には、事前に担保の抹消をするか、同時に『抹消承諾書』を添付するか、抹消に必要な書類を添付する必要が有ります。
建物が現実にない以上、登記簿を閉鎖することに成るのですが、現代は担保の金額も高額であるので、債権者の知らない内に登記簿が閉鎖されないように、実務上は添付を要求されることが多いものです。
2,『権利』の登記
表示(表題部)に関する登記以外の登記です。
所有権の登記や、担保権の登記などの全てを権利の登記を呼びます。
表示に関する登記は、土地家屋調査士の資格を有する者が『委任を受けて代理申請』をしますが、権利の登記は全て『司法書士が委任』を受けて、『代理申請』をすることになります。
3,『保存』の登記
初めてする所有権の登記を、『所有権保存』の登記と言います。
特に建物を新築した場合の保存の登記が一般的で、土地が新たに生じた場合の『保存登記』も有りますが、現実的には少ないものです。
『先取特権保存』の登記と呼ばれることも有りますが、これは『債権者』が他の債権者に先立って弁済を受けられる『法定担保権』ですが、保存の登記と言っても、設定の登記と同じものです。
所有者として、建物の保存の登記申請が出来るためには、表題部の自己か被相続人が所有者として記載されていることが必要です。
建物の表示の登記を、『所有者』として申請した人、若しくはその『相続人』で有ることが必要で、表示の登記を他人の名前ですると、それが間違いでも本人からの所有権保存の登記は出来ません。
但し、1棟の建物が区分所有建物の場合に限り、その建物の表題部に所有者として記載された人から直接所有権を取得した人は、本人の名前で所有権保存の登記が出来ることに成ります。
また判例によって所有権を証明する者と、収用によって所有権を取得した者は、直接、所有権保存の登記申請が出来ます。
4,『移転』の登記
売買契約や贈与を原因とする所有権移転の登記が、代表的ですが、移転原因には色々な種別も御座います。
相続(法人の場合は合併)によるもの
売買によるもの
交換によるもの
贈与によるもの
共有物分割や真正な名義の回復によるもの
代物弁済による移転等です。
これ等は、全て所有者が変更してしまう『重大な登記』となります。
本人からの申請ではなく、嘱託によるものとしては、『収用』等による移転の登記が有ります。
信託による移転の登記は、一定の目的に従い不動産の管理処分まで任せることに成りますが、所有名義の移転を行いますので、この登記の中に含めることは可能です。
所有権以外の権利の移転の登記も、種々あり、担保権の移転、代位弁済による抵当権の移転や、根抵当権の譲渡による移転(この場合、債権者が変更)など、実務上よく行われる登記になります。
担保権の移転登記は、新規の設定登記と比較すると、『登録免許税』が半額になり、登記された順位をそのまま承継できますので、手続的に可能であれば、所有者・債権者双方に利点のある登記です。
5,『設定』の登記
所有権以外の権利の登記をすることについて、『設定登記』すると言います。
地上権
地役権
質権または(根質権)
抵当権または(根抵当権)
賃借権の設定などが該当します。
所有者は、何らかの経済上の利益を得るのと引き換えに、または債権者は、その債権の保全の為に、これらの担保権の設定登記の申請することに成ります。
現在の経済社会において、多々利用されている登記で、不動産売買の際には、これら所有権以外の権利を全て抹消して、負担のない所有権を取得できるように配慮する必要が有ります。
6,『変更・更正』の登記
これは、名義人表示変更・更正登記と、登記された権利の変更・更正登記の2種類があります。
名義人の表示変更の登記は、所有権の名義人とその他の名義人(抵当権名義人等)と、大きく二つに分かれます。
売買の場合や、担保権等を設定する場合等、所有者の印鑑証明の住所・氏名と、不動産の所有権欄に記載された住所・氏名とが一致しない時は、必ず住所・氏名一致させる所有権名義人表示変更登記をしなければなりません。
その場合には、変更を証する書面として【住民票・戸籍謄本】、会社の場合は【法人の登記簿謄本】などを添付して申請します。
担保権の表示に変更があった場合、抹消の登記を申請する以外は、その名義人表示変更の登記を同じように申請することに成ります。
権利の変更登記には様々なものがあり、債務者の変更登記をしたり、根抵当権の極度額の増減をしたりしたりするものです。
権利の変更登記を申請する場合、登記上利害関係を有する第三者の承諾書が、必要になる場合が有りますので、此処は注意がとても必要です。
名義人の表示変更登記は、その当事者のみの申請で変更できますが、権利の変更登記は、所有者と債権者の双方から申請をすることになっています。
登記はとても重要な工程ですので、ご説明した内容をご理解頂ければと思います。
まだご説明が多く御座いますので、次回のブログも登記関係のご説明になります。

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