離婚に伴う財産分与の登記は⁈
離婚される場合『慰謝料』と『財産分与』がつきものです。
離婚も手続きが多いものです!
昨今、色々なご相談を頂いておりますが、両親が他界されて兄妹で、その実家が空家である不動産をどうするのか⁈
そのほか、長年婚姻関係を築いていたご夫婦が、離縁されて財産分与に伴うご相談等、悩ましいご相談が多いものです。
今回、考察する内容は『離婚に伴う財産分与』で、その『登記』をどうするかです。
ご相談内容
奥様から、現在居住している不動産の財産分与を受け取り、夫との協議離婚する。
奥様は、夫を信用しておらず、財産分与で不動産の登記を受ける場合、どの点を気を付ければ良いのかとの内容です。
1,そもそも財産分与について
『財産分与』とは、離婚(婚姻関係の解消)に伴い、夫婦で築いた財産を清算することです。
一般に、離婚される場合『慰謝料』と『財産分与』がつきものです。
『慰謝料』は、通常、不貞行為やDV(暴力行為)等で、相手側に精神的・肉体的な損害を与えた側が支払い、義務を負うもので有るに対し
『財産分与』は、例として夫婦が共同で築いた財産が、全部が夫名義になっている場合、これを実態に即して夫名義の財産を妻側に分け与えるというものですが、夫と妻が逆である場合も当然に有ります。
離婚に伴い、相手側に不法行為の要件が備わないと、『慰謝料の請求権』は生じず、夫婦で築いた財産そのものが無ければ、基本的に『財産分与請求権』も生じないことに成ります。
この点は、離婚すれば当然、女性側が『慰謝料・財産分与も請求できる』と、誤解されている方も多いもので、注意が必要です。
離婚には、両当事者の協議による『協議離婚』
調停の成立による『調停離婚』
判決に基づく裁判上の離婚等が有ります。
調停や判決による離婚などの場合は、基本的に法律の専門家関与し、手続的な間違いは起こらないものです。
しかし、当事者の協議による離婚の場合、そもそも、離婚の届け出をどのようにしたらいいものか、不安になり相談を受けるという感じです。
ご相談者の場合、離婚の届け出を出した場合、夫側が財産分与の手続きもない場合も考えられます。
夫側から名義の『移転手続き』をしないと、後々の問題になる場合が多いものです。
2,登記に要する書類は⁈
不動産の名義を、夫から妻に変更する場合
①夫所有の不動産の、不動産登記済み権利証(登記識別情報)が必要です。
※上記の書類が紛失・見つからない場合は『保証書』の発行が必須となります。
②所有者の夫の『印鑑証明書』が必要です。
③不動産の財産分与する旨の『約定書』を作成することが重要です。
※『約定書』を登記の『原因証明』にし、実印を押印しておく必要が有ります。
④この場合、夫婦が共同で『移転登記』の申請となりますので、『移転登記の申請書』にも押印する必要が有ります。
司法書士に登記依頼する場合、司法書士に『登記依頼の委任状』に実印を押印する必要な有ります。
3,司法書士に依頼する場合
①実印を押印した委任状
②夫の印鑑証明書
③登記済み権利書(登記識別情報)
上記の三点が最低限必要になります。
ほかに、不動産の評価証明書も登記に必要となりますので、所有者より必ず入手することが重要です。
登記される場合、今回の相談者(奥様)の住民票も必要になります。
通常、登記手続きは複雑で、ミスが許されませんので『離婚届けを出す前に、法曹の方に相談』されるのが大事です。
移転登記に要する費用は、必須ですので事前にご相談されることも重要です。
移転登記が終了後、『不動産取得税』もかかりますので、その費用もご用意や、財産分与で不動産を譲渡する場合、夫側に『譲渡所得税』が必要になりますのでご注意です。
今回のブログは、離婚に絡む登記のご説明ですが、そうならないようお互いを大事にしていただきたいと思います。
如何にせよ、結婚生活を長く続けるのは、とても大変ですがご参照下さい。
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