地主に内緒で建物を増築した場合は⁈
地主との三段階の確認が有ります!
『所有権ヲ証スル書面』は重要です!
不動産の相談は、多岐にわたるもので、たまに突然難題にあたる相談も多いものです。
今回も本当にあった実例を基に考察したいと思います。
1,地主に無断で建物を増築した時の登記手続きは⁈
借地の家に住んでる方からの相談ですが、増築する場合は『地主より承諾料』を請求された後のご相談です。
『無許可のまま増築工事』したもので、『無断増築の禁止行為』
『土地賃貸借契約書』に条文が未記載であったので、不法行為としての『土地の明け渡し請求』だけは回避できました。
通常、借地上の増築する際、『地主の証明(承諾書)』は必要とされておりますが、地主は簡単に証明書は出してくれないものです。
地主の証明書がない場合は、その増築部分を登記できるのか、将又、他の証明証が必要であるのか、悩ましいご相談です。
2,地主との関係
借地上の建物の増改築には、三段階あり 地主との関係性は重要です。
第一段階として、増改築の許可を巡り許可をするしない、承諾料は幾らくらい必要であるのかなどの問題が発生するものです。
権利関係が重要で、借地の土地賃貸借契約期間中に『無断増改築禁止』の特約事項がない場合、若しくは土地賃貸借契約者を未締結、地代の支払いがなされている場合、通常、地主が増改築を認めていると考えると、改めて許可を受ける必要はなさそうに思われます。
第二段階として、増築については行政庁に対する『建築確認申請時』に、地主の土地使用承諾書が必要かどうかの問題が生じます。
本来、建築確認の問題は、地主と借地人との権利関係だけの問題ではなく、一定の敷地、道路との関係性、建築基準法に合法的なもので有るかの問題です。
ここは重要ですが『地主の承諾書がなければ、増改築はできない』
ここはグレーゾーンになります。
建築主が、どの程度の範囲で敷地を利用する権利が有るのか⁈
※建蔽率の計算は重要です。
増築に際して、改めて地主の『土地使用承諾書』または、『増改築の承諾書』が建築確認のための添付書類に必要かどうかでしょうか。
一般的に、建築基準法の認定上、土地賃貸借契約書に借地面積が記載されていれば十分といえそうで、特別な場合を除き、地主の印鑑はいらないことが多いものです。
第三段階は、登記申請手続きですが、登記申請の最初は『建物の表示変更の登記申請』です。
建物の表示登記は、登記簿で確認できますが、表題部で『所在地、家屋番号、種類、構造、各階の床面積』などの登記がされます。
増築工事をした場合、表示の登記の変更をすることになり、法令上、増改築後1か月以内に申請しなくてはなりません。
※登記を適切に行わない場合には、10万円以下の過料が課せられる恐れが有ります。
【不動産登記法第164条】参照
この際にも、所有権を証明する書面を『建物表示登記申請書』に添付する必要が有ります。
ここで、地主の証明書が役立つもので、『地主の印鑑証明書』つきの『建築証明書』が、不動産登記法上の『所有権ヲ証スル書面』に該当します。
地主の承諾が得られない増築の場合、地主の『建築証明書』の取れません。
3,増築工事
※地主の『建築証明書』は、『所有権ヲ証スル書面』では有りません。
第一に建築基準法第6条に基づき、建築確認申請、検査済の証明証が有れば、『所有権ヲ証スル書面』になります。
増築工事を行う際は、法律上10㎡を超える増築には建築確認申請が必要です。
増築工事を行い構造・床面積に変更が発生した場合、1か月以内に法務局へ登録内容の変更登記をしなけれななりません。
地主の意思に反した増築は、地主との信頼関係を損なうものですので、トラブルの原因になりますので、ご注意頂きたいと思います。
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