なぜ不動産は『登記』するのか⁈
そういえば最近『登記所』って聞きませんね⁈
えっ!建物として取り扱いできないの⁈
不動産に関する仕事をしておりますと、購入・売却・賃貸しする場合、『不動産登記』を必ず確認いたします。
その『不動産登記』ってなんですか⁈
不動産に関係のない方から思えば、私どもからの説明は『土地所有者』若しくは『建物所有者』と回答すると、その証拠として『登記簿謄本』や『要約書』を取得し説明することが多いものです。
今回は『登記』とは何であるのか、ご説明したいと思います。
1,不動産登記とは⁈
不動産登記は、不動産に関する権利の発生、変動、消滅を国家が管理する『不動産登記簿』といいます帳簿に記載すること、または、そのその記載のものを言います。
不動産登記の制度は、当事者以外には掌握しがたい不動産に関する法律関係を公の帳簿に記載し、これをその不動産について、利害関係を有する人に公開することにより、取引の安全性と円滑化を図るものです。
併せて、その不動産について権利を有するものの保護を図るための制度となります。
『登記簿』には、正確で現実性のある法律関係が記載されていることが必要であり、それが日本語が理解できれば、誰でも分かりやすい形で記載されていることが必要です。
『民法第177条』にて、『不動産に関する物権の変動について、登記が無ければ第三者に対抗できない』とされております。
また、不動産の物理的な概要を表す『表示に関する登記』については、所有者に登記の申請義務を負わせることにより、理想的な不動産の登記の実現がはかるものです。
2,そもそも『不動産』とはどんなもの⁈
『民法第86条』で『不動産および動産』と調べると出てきます。
一般的に、土地及びその定着物をいうとされておりますが、その定着物とは、土地または土地との構成要素、特定の土地定着している状態を言います。
これは『建物・門塀・垣根・庭石』等が、該当されます。
建物については、独立の不動産として扱われますが、そのほかの土地の定着物は、土地と従たる若しくは、一体として扱われ、土地を売却する際、重要とされます。
3,土地とは⁈
日本の土地は、現国会でも協議されていますが、『日本の領土』の一部を人為的に区画した範囲のものです。
細かく言えば、地表だけでなく一定の範囲で、利用若しくは管理が可能であれば認められる限度内で土地の上下に及びます。
不動産の登記の制度は、私人間の不動産に関する権利関係を公示する制度です。
日本の領土といっても、私権の対象とならない土地は、登記の対象外です。
例えば、海面下・河川の水流は、登記の土地ではないのですが、同じ水面下でも『溜池・池沼』は、同様に土地として扱われています。
4,建物とは⁈
土地に定着した建造物、屋根と周壁を有して、その使用目的にした状態であるもととされますが、必ずしも1棟の建物である必要はありません。
マンションのように、1棟の建物の一部分であっても、その一部が構造上、利用上独立していれば、そのような形状を『区分所有建物』と呼ばれます。
5,判定が困難な例
①建物としての取り扱われるもの
❶停車場の乗降所、荷物積み下ろし場(屋根がついているもの)
❷野球場、競馬場、競輪場などの観覧席(屋根がついているもの)
❸ガード下を利用して作られた店舗・倉庫棟
❹地下駐車場、地下街の建造物
❺園芸・農耕用の温室施設(半永久的な構造物として認可されたものに限定)
②建物として認められないもの
❶ガスタンク・石油タンク・給水タンク
❷機械の上に建設した建造物(地下に基脚、支柱等は対象外)
❸浮舟を利用したもの(固定しているものは対象外)
❹公衆道路に屋根を施したアーケード付きの街路
❺容易に移動できる切符・入場券・宝くじ売り場等など
6,『登記所』とは⁈
一般の方は、登記所、各法務局の存在を知らない方も多いものです。
不動産の登記制度は、不動産に関する権利関係を『登記簿』という日本の国家が管理する帳簿に記載し、一般に公開制度ですが
この『登記に関する事務を取り扱い、登記簿そのほか帳簿や図面を管理している役所』が、『登記所』『法務局』です。
各登記所には、其々『管轄区域』が定められており、原則として、『その管轄区域内の不動産に関する登記の事務』だけを行います。
その区域外は、一切取り扱いしてくれません。
法務局(地方法務局、支局、出張所等)では、単に不動産に関する登記事務だけではなく、法人の登記事務や家賃・営業保証金などの供託に関する供託事務、人権の擁護に関する事務を行っております。
上記の件は、意外と知らない方も多く、法務局では色々な業種の方が出入りしております。
一般の方でも、その権利者の代理人として登記申請も可能ですが、時間のない方等はどうしても行けないので、その際はご相談頂ければと思います。
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