不動産の賃料について②
賃料の設定と現状の把握は重要です!
賃料の設定方法について
不動産の賃貸について重要なのは『賃料の設定』でしょうか。
当方も、時代に即する賃料設定をしておりますが、近年は『世界的な物価の上昇が原因の物価高』等で、賃料設定が難しいものです。
以前からのお付き合いしている貸主(不動産オーナー)に、説明しておりますが簡単にはいかないものです。
競合の激しい地域・築を俗にいう『激戦地区』
建物の老朽化における『入居者の希望条件の相違や不安材料』
そのほか色々と有りますので、その辺りを考察したいと思います。
1,直近合意時点について
前回のブログの続きですが、継続賃料は『直近合意時点から価格時点までの間』に生じた事情変更が考慮されるため、『直近合意時点』は、事情変更する始点となります。
それにより、事情変更の期間に直接関わり、直近合意時点が【いつ】になるかで継続賃料の水準に影響が出ます。
①直近合意時点の定義について
直近合意時点は、鑑定評価基準において『契約当事者間で現行賃料を合意しそれを適用した時点』と定義されます。
②直近合意時点がいつで有るかが問題となる場合
『現実の合意』があるかに関連し、直近合意時点が何時であるかが問題になる場合があります。
③価額時点について
継続賃料の価額時点は、借地借家法に基づく賃料増減請求が行使された場合には『賃料増減請求に係る賃料改定の基準日』が、継続賃料の価額時点となります。
例に挙げて分かりやすく言えば
2025年1月1日から賃料を改定する場合は、2025年1月1日が価額地点となります。
2,新規賃料と契約賃料の差額について
新規賃料と契約賃料の差額は『事情変更に係る要因』『諸般の事情に係る要因』により生じるものです。
ここで注意が必要になるのは、当事者間の恩恵的な関係性です。
友人や親族といった関係性により、賃料が定額に抑えられていたところ、解約後に恩恵的な関係が消滅した場合、賃料を値上げしたり、条件が厳しくなる場合もあります。
よくあるケースですが、他人に貸す場合、実勢価格での金額を把握し、貸す場合に建物の修繕費用等に費やす必要があります。
3,基礎価格について
新規賃料を求める手法の一つに『積算法』が有ります。
この積算法を求める場合の基礎となる価格を『基礎価格』と言います。
基礎価格は一般的に積算価格と同じで、通常は土地は取引事例比較法から求めた積算価格を合算して、調整し施したものが、基礎価格になります。
積算賃料=基礎価格×期待利回り+必要諸経費
基礎価格は新規賃料を構成する要素があり、結果的に新規賃料と契約賃料との差額を分析する継続賃料にも影響が有ります。
4,継続賃料固有の価格形成要因について
継続賃料固有の価格を形成する要因
『事情変更に係る要因』と『諸般の事情に係る要因』の双方に大別されます。
主なものは5つ程度になります。
①近隣地域、同一需要圏内の類似地域の賃料または、代替え不動産の賃料の推移
②土地価格の推移
③公租公課の推移
④契約の内容及びそれに関する経緯
⑤賃貸人・賃借人等の近隣地域の発展に対する寄与度
賃料を決めていくには、貸主と借主の意見も聞きながら、経済的、相場を熟知していくのも重要ですが、次回のブログで『継続賃料』について考察したいと思います。
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