借家契約の特約事項⁈
『更新料』は特に法整備されていませんが。。。
特約事項は賃貸契約の中で重要です!
2024年12月も下旬に入り、あいさつ回りでアチコチで歩くのですが、例年と同様にクリスマスセールを行っているお店も増えてきました。
世間では、何もかもが値上がりしてお財布の紐が固いようです。
不動産業界も、土地、建物の建築するコストが高くなり、新築価格も以前の所有権価格で借地権の新築戸建を販売している不動産業者もおります。
不動産と言えば、人生の中でも一番高価であることで、購入時は本当に迷うもので、賃貸物件にて決めようと思う方に助言的なブログを書こうと思います。
そんな中で、賃貸契約する際に『特約事項』を記載することが多いものです。
強行規定に反する契約は『無効』とされます。
しかしながら、これに反しない限り当事者間で法律の規定と違う約束をしても、その約束が法律の規定に優先して効力をもつことが有ります。
その方が当事者の目的に叶えば、それを『特約事項』に定めることが出来ます。
1,特約を定めることが『有利か』『不利か』⁈
強行規定に反しない限り、当事者間で法律の規定と違う約束をし、これを『特約事項』として定めることは出来ます。
借家契約では幾つかの事項を特約として定めることが可能です。
勿論ですが、特約を定めなければ法律の規定に従って扱い、何方が有利なのか、よく考える必要があります。
2,特約として可能な事項
①造作買取請求権放棄の特約
『造作』とは、畳、建具、エアコン、厨房設備など建物に付加された物で、借家人の所有に属し、建物の使用に客観的便宜を与えるものです。
旧法では造作買取請求権は強行規定でしたが、新法では当事者が買取請求しない契約内容であれば、その効果が認められます。
請求権放棄を約束しなければ、借家人は買取請求ができます。
②賃料改定の特約
例えると、2年若しくは3年ごとに『賃料の値上げ』をする約束です。
物価高に苦しむ時期にこの特約は、借主に負担が大きいもので、現代ではこの特約を設定することも少なくなりました。
③解除事由を定める特約
例えば、賃料を3か月以上滞納した場合に、貸主は催告を行わずに契約自体を解除できるという特約になります。
しかしながら、幾つかの判例を見比べてみても、解除事由に該当しても当事者間の信頼関係が破壊されていない場合、解除の効果を認めないとされます。
借家人の破産を解除する特約は有りますが、此処は難しいもので、破産しただけでは解除できず、破産の結果賃料が滞り、支払いが出来なくなった時点で解除できることになります。
④貸主の修繕義務を免除する特約
民法第606条に、『賃貸人(貸主)による修繕義務と、賃借人による修繕の拒否』に関する内容を定めております。
しかし、借家人が承諾すれば、修繕を借家人の負担とする特約は有効です。
当方も最近この部分を見ており、初期費用の減免・貸主の費用を削るために『民法第606条』の規定に基づいて契約立会いさせております。
勿論ですが、賃貸借契約は貸主・借主双方の意見もありますが、正当かつ法に従い判別することが重要であり、双方に不服が無いよう説明して解決しております。
⑤借家人の費用償還請求権放棄の特約
民法608条第1項で、建物の原状回復や修繕のために必要な費用を『必要費用』といい、此れを借家人が負担した時は直ちに家主に対して負担分を請求することが出来ます。
民法608条第2項で、建物の価値を高めるためにの費用を『有益費』といい、借家人がこれを負担した時は、契約終了時に建物の価値の増加が現存する限り、借家人負担した支出額か価値の増加額の何れかの償却を受けることが出来ます。
ここでポイントなのは、支出額と増加額のどちらを償却請求するかは、家主が選択します。
この必要費、有益費に関しても、契約で借家人の負担と定めることが出来ます。
⑥更新料の特約について
法律に詳しい方から、『更新料の支払い義務』について、質問があります。
『法律上、更新料の支払い義務はありません』
しかし、『特約で定めた場合』は、その支払い額が不合理に高いとされない限り有効とされております。
以上、特約で定めた限り有効となります。
特約で定めない場合は、法律の規定が効力をもつもので、何方かが有利なのか十分に考慮する必要があります。
如何にせよ、『賃貸借契約』は民法を基に記載されるもので、正直全文を理解されて印鑑をつくことを推奨いたします。
次回のブログは、その『特約』の無効について考察したいと思います。
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