相続・4つの提案から選択!
相続時は意外と悩む方が多いです。。
分割は本当に難しいものです
11月も下旬に入り、上旬には『半袖で冬場が越せるかも』と、内心考えておりましたがその真逆に『気温も一桁台になり、本当に寒い』と思うようになりました。
季節も『晩秋の候』といった手紙も書いたり、届いたりする季節になりました。
最近、ひと昔前にお世話になった方々に連絡を入れているのですが、時代なのか電話・メール・手紙とも不通になり寂しい気がします。
当方の勤務している亀戸ですが、『亀戸再開発事業』と言うのですか、古くから商売されている方や、老朽化して家並みがドンドン立ち退きになり、移転される方々が多くなりました。
再開発事業は、都内では彼方此方見られるのですが、亀戸は古くから栄えている場所なので、不動産同業者の方の事務所も移転するもので、なんだか複雑な気分にもなります。
新しくなるのは歓迎できるのですが、知人が何処に行かれるのか心配にはなります。
今回のブログは『相続』に纏わる事例を解析したいと思います。
相続で起こる問題は、殆どが不動産を巡る問題が多いものです。
そこで事前に家族話し合い、適切な対策を講じておけばトラブルを防止できるのですが、今回は実際にあった事例で、どこに問題が有るのか、どうな対策をすべきか具体例で考察していきます。
(事例)
一人暮らしをしていた母御さんが逝去されました。
その母御さんの家で生まれ育った『息子三人』おります。
三人とも独立しており、父親は5年前に他界されております。
母御さんの家は、都内の駅から徒歩5分程度に位置しており、その土地を如何様にするべきなのか相談を受けたことが御座います。
この件で、当方からの提案は3種ほど提案しました。
1,その土地を売却して『代金を均等に3人で分ける』
2,その家を解体してアパートを建設して『共同経営』をする。
3,土地を『3分割』して、各々所有する。
このような提案を致しました。
此処からが、それぞれの家庭事情があり、息子の2人は土地を売却して、お金を其々分けてほしい意見です。
長男さんは、『生家であり愛着があり、出来ることなら売却しないで、その場所に戻りまた暮らしたい』という意見でした。
※なんとなく気持ちは分かります(心の声)
2番目の提案『アパート経営』は、正直乗り気にはならず、3番目の提案『土地を3分割』にし、其々が土地を所有することで話が纏まりました。
不動産は分けるのが難しくトラブルの要素が大きいものです。
遺産としての不動産は、複数の相続人がいる場合、分け方が本当に難しいものです。
その分け方は、大きく分けて4つの方法が有ります。
1,現物分割
現物分割は、実際の土地を分筆(地番を分けて登記)して複数の相続人に分ける方法です。
例に挙げれば、道路に面した横長の土地で有れば、比較的に簡単に平等に分けられるのですが、分割の土地が縦長で有れば難しいものです。
家を新築する際は、建築基準法の道路に幅4m以上接道しており、最低限2m以上接道していないと、再建築できません。
2m未満であると、不動産価値が大きく下がりこの方法は現実的ではありません。
土地の面積を平等に分けるとしても、秤で図るのとは大きく違い非常に難しいものです。
2,換価分割
換価分割は、土地を売却して『お金』に換えて、代金を相続人に分ける方法です。
一番すっきりと分割できそうですが、中には愛着があるもので『売りたくない』という心の問題もつきものです。
当事者同士の心情で、当方がアドバイスしてもどうしたら良いのか悩むところです。
3,代償分割
代償分割は、相続人のうち何方か一人が不動産を相続して、ほかの相続人には自分の私財をを基に現金を渡して埋め合わせする方法です。
不動産関係者であると、無理してでもこの方法を使うことが多く、簡略的にいえば『ほかの人の相続分を買い取る』考え方になります。
不動産以外にも『現金・有価証券』などの相続財産がある場合は、それを外の相続人に相続させることで、分割のバランスを取りやすいものです。
※土地を売却しないで、財産を残したい方は、この方法がベストと思われます。
4,共有分割
共有分割は、ひとつの不動産の名義を複数人にして、みんなで権利を共有する方法です。
前項の『代償分割』では、土地を相続する人が大きな金銭を用意しなければなりませんが、『共有分割』であれば不要です。
皆様は、この方法が最善の方法と思われますが、当方から見ると、後世代にもめ事が起きやすい分割法になります。
例えば『3000万円の土地を3人で共有』すると、計算上各々1000万円分の権利となります。
しかしながら、その3人の合意がなければ、土地の売却は不可能です。
1人が売却したくても、他の2人が売却の意思がなければ、売却には至りません。
そこでもめ事である、『土地の権利を有していても、換金が出来ない』と思う人も多いのですが、ここからが重要です。
法的にいえば『一部の共有持ち分』の売却は可能です。
法曹の方々でも『法律で共有のやりかたは問題なし』と、共有分割を認める方が多いですね。
次回は、よくあるトラブル、その解決法を考察したいと思います。
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