遺産分割についての相談!
離婚後の『遺産相続』元配偶者とその子供の順位は⁈
2回の離婚歴について。
半年前に本ブログでも掲載しましたが『相続』について、再度考察したいと思います。
自分の知人で、二度離婚された方からの相談です。
そもそも、遺産相続は被相続人が死亡して直ちに開始されますが、『相続は身近な問題』ですが、法律用語も非常に多く、馴染みのない方が大多数になります。
少子高齢化社会ですが、その方は二度離婚されておりますが、複数の子供がおります。
今回は、『離婚した配偶者との間に子供がいるケース』に該当しますので、『元の配偶者とその子供の相続権』について詳しく考察したいと思います。
特に再婚後の相続権に問題もあり、相続の際にトラブルが生じない為の解決方法が有るのか触れてみたいと思います。
1,被相続人の相続権
死亡した被相続人には離婚した元配偶者と、その間にできたお子さんがおります。
『元配偶者とその子供に相続権』が有るのか、夫々見てみたいと思います。
ここで重要なのは『元配偶者に相続権』は有りません。
民法第890条によれば、被相続人の配偶者は常に相続人となり、被相続人の死亡時に相続権が発生します。
しかしながら、『離婚とは配偶者の地位』を失い、『親族関係を終了』する手続きになります。
従い、『離婚した元配偶者に相続権』は有りません。
2,元配偶者との子供には相続権が有ります!
民法第887条によれば、被相続人の子供は相続人となり、被相続人の死亡時に相続権が発生します。
被相続人との親子関係は離婚後も当然に続き、また実親子の親子関係を解消する法律は有りません。
従って離婚した元配偶者の子供にも『相続権』は生じます。
『遺産相続の順位は第1位』となり、相続分は民法第900条以降の規定に従わなくてはなりません。
相続人が元配偶者の子供1人だけの場合には、その子供が全ての被相続人の遺産を相続、あるいは元配偶者の子供が2人いた場合、相続分は夫々2分の1となります。
加えて元配偶者との子供が亡くなっていて、その子供(被相続人から見て孫にあたる)がいた場合には『代襲相続』が可能です。
離婚した元配偶者と、その子供がいた被相続人が再婚した場合、相続権が変化するのでしょうか⁈
※再婚後も元配偶者の子供の相続権はなくなりません。
被相続人が再婚したからといって、被相続人と元配偶者の子供との親子関係は続きます。
従い『元配偶者の子供に相続権』は発生します。
但し新しい配偶者は常に相続人となり『民法第890条』相続分に変化は生じ、相続人が『現配偶者と元配偶者の子供の場合、相続分は夫々2分の1』になります。
3,元配偶者の子供と現配偶者の子供の相続分は同じ!
再婚後、新しい配偶者との間に子供ができた場合でも、被相続人と元配偶者の子供との親子関係は続きます。
従って、元配偶者の子供に相続権は発生します。
但し、現配偶者の子供にも相続権は発生するため、相続分は状況によって変化するので注意が必要です。
例えば相続人が現配偶者と、現配偶者の子供と元配偶者の子供の場合には、『現配偶者の相続分が2分の1、現配偶者の子供と元配偶者の子供の相続分は4分の1』です。
4,遺産分割協議は、元配偶者の子供を含めた全員が参加する必要があります!
『遺産分割協議』とは、被相続人の財産について『法定相続人全員』で話し合い、この『遺産分割協議』で遺産の分割内容や方法を決めます。
そして、遺産分割協議で決めた内容は、『法定相続人全員の合意がないと無効』です。
従い、元配偶者の子供も含めて『法定相続人全員が参加』する必要があります。
『遺産分割協議』では、元配偶者との子供を含めて、話し合いを行うことは感情的になりやすく、大きなトラブルが生じやすいものです。
『遺産分割協議』が不調に終われば、『遺産分割調停や遺産分割審判』となり、時間・費用が余計にかかり、被相続人の死後相続で揉めない為にも、『遺産分割協議』で相続についてきちんと話し合う必要があります。
5,相続の内容について明確に!
元配偶者の子供は被相続人と離れているため、被相続人の遺産内容について詳しくは有りません。
したがって被相続人の遺産がどの位あるのか、相続の内容について明確に話し合うことは重要で、『遺産隠し』は、遺産分割協議の無効事由となるため、包み隠さず開示することが重要です。
6,トラブルを未然に防ぐには
現配偶者の子供と、元配偶者の子供とでは、『日本の法律上は変わりません』
しかしながら、現配偶者の子供が元配偶者の子供に対して優先的な立場をとるケースが見受けられます。
こうした態度をとると相続人同志で感情的になり、遺産分割協議が進行しませんので、トラブルは未然に防ぐことが重要です。
当方のような宅地建物取引業では、2度離婚される方が亡くなった場合、以前の配偶者や実子を追跡が不可能です。
このような場合は、法曹の方にお願いしたりします。
如何にせよ、2度離婚された方の相談は正直複雑であることと、相続人同士が面識のないことが多く、相続関係者の取りまとめが大変で有ることを認識して頂きたいと思います。
関連した記事を読む
- 2024/11/19
- 2024/11/16
- 2024/11/09
- 2024/11/04