インボイス!?消費税!?
消費税導入前の『昭和』は偏りがあったんですね。。
昭和・平成・令和の消費者の支払う税金は!?
令和5年10月に、インボイス制度が始まり、そろそろ半年を経過し幾らか全容が分かるようになりました。
そもそもですが、消費税が実施される前は『売上税』と呼ばれる税金の件で、日本中の個人事業主はたまた、経営者からの猛反対で『消費税』が始まったことは記憶しております。
当時は、金融機関に出入りしていた理由なのか、手数料・税金等細かいことが大変な時期でもあり、当時の総理大臣が百貨店でネクタイを購入する際に、自身で消費税(当時は3%)を支払っているパフォーマンスはテレビ・新聞等で紹介されていました。
消費税が導入されたのは【1989年(平成元年)4月1日】ですが、流石に知っている方は少ないと思います。
今回のブログは『インボイス制度』を学ぶ前に、基本となる『消費税』の仕組みを知っておくのが大事であると思います。
1,消費税の基本的な仕組みについて
消費税は。物品等の販売・貸付・サービス等に対して課税される税金で、2024年現在代金に10%の税金を上乗せして『購入者・受益者への税負担させる』ことを予定して立法されています。
※現在、食料品・宅配新聞については、8%の軽減税率が適用されます。
例に上げると、宝石店が100万円で宝石を販売する場合、宝石店が購入者より110万円を受領して其の内の10万円を税務署に支払うのでしょうか!?
実はそうではなく、『消費税』はその取引が消費者に対しての小売であるのか、宝石店に対しての卸売であるのか関係はなく『取引の都度、その取引金額に10%の税率で課税』することになります。
宝石店は、この宝石を問屋から仕入れる際に、問屋が上乗せした消費税を仕入れ代金と共に支払っている訳なので、この分を差し引きした金額だけ税務署に納付することに成ります。
例えば、宝石店がこの宝石を問屋から仕入れる際に、仕入れ代金の60万円と10%の消費税あわせて66万円を問屋に支払い、これを購入されたお客様に販売する際に、代金100と消費税10%合わせて領収した場合、こちらの宝石店は税務署に納付する消費税は【預かった消費税10万円から支払った消費税6万円を差し引いた4万円】となります。
問屋の仕入れを無視して考えた場合、問屋の納付する消費税(6万円)
宝石店の納付する諸費税(4万円)
合計額は(10万円)
最終購入者である消費者である税負担と一致することに成ります。
つまり『消費税は、各取引段階にいる事業者が、消費税の負担すべき消費税を分担して納税するシステム』なんです。
今回のブログも中盤に入りますが『単段階課税』と『多段階課税』についてご説明したいと思います。
昭和の時代、諸費税が導入される前に『物品税』という税金が有りました。
その『物品税』は、貴金属・毛皮・自動車・時計等の『贅沢品』に課税していた税金でした。
課税物品表に掲げる物品は、第一種の物品と第二種の物品に区別され、其々が課税方式が異なり、貴金属や毛皮など第一種の物品は『小売課税制度』
自動車や電化製品などの第二種の物品は製造所からの蔵出し時に課税される『移出課税制度』を採用していたのです。
物品税は消費に担税力を求めて課税される税金であるため、本来であれば小売課税が理想的な課税方式です。
しかしながら、課税物品の全てを小売課税にした場合、膨大な数の零細企業・小売業者が納税義務者に取り込まれて、納税事務負担と微税事務負担が増大することになる訳です。
大手メーカーが物品税の納税義務を負わない問題が有るがため、現実的では無かったのです。
このような理由にて、第二種の物品については移出課税制度を採用したのではないのでしょうか!?
第一種の物品である貴金属などについては、小売課税制度が採用されていましたが、この小売課税制度は理想的でしたが、課税技術上の問題が有ります。
前半の説明でも記載しましたが、購入者が宝石店を通さず、直接問屋に買いに行く場合、課税されない租税もあります。
こういう事態を防ぐために、貴金属の販売業者については『販売業者証明書』を交付し、この証明書の提示が無ければ、貴金属の売買が出来ないことにしていました。
このように、『単段階課税方式はシンプル』ではあるものの、『課税技術上の問題点が多いことも事実』であります。
これに対して、『消費税のような多段階課税の間接税』は、手間がかかる反面、『単段階課税方式の問題点を解消』することが可能です。
皮肉にも課税方式としては優れた制度でした。
以上のことを踏まえまして『インボイス』についてご説明致します。
『インボイス』は『適格請求書等』とも言い、簡単に説明すると『仕入先が納税したことを証明する書類』という内容です。
当初の題材を当てはめますと、宝石店は問屋が発行したインボイスにより、問屋が6万円の消費税を納税したことが確認出来るので、税の累積を排除するために、仕入時に負担した6万円の税額を10万円の売上税額から控除することが出来るのです。
インボイスがないと、仕入先が納税しているかどうかを確認する事が出来ません。
言い換えれば、免税業者が消費税相当分を売値に転嫁出来たとしても、買い手はコレを拒否することが出来ないと言うことに成ります。
インボイス制度を採用していなかった日本では、納税義務のない免税事業者からの仕入れについても課税されているものと割り切り、仕入税額控除を認めてきました。
資本金が1,000万円未満の新設法人は、基準期間がない設立事業年度とその翌事業年度は、原則として納税義務が有りません。
そこで、実務世界では計画的に資本金1,000万円未満で法人を設立し、この免税事業者である新設の法人に支払った外注費・人材派遣料を仕入れ控除税額の計算に取り込んで節税を図る動きが有ります。
諸費者が負担する諸費税が国庫に納付されず、事業者の懐に残留するこの『益税問題』はインボイス制度導入にて解消されることになったのです。
インボイス制度が導入されたのは『令和5年10月1日』です。
①インボイスを発行するためには『登録申請』が必要です
②仕入税額控除の適用を受けるためには『インボイスの保存』が必要です
③請求書などの『記載事項』が増えます
インボイスには税率ごとの消費税額と登録番号を記載する事が義務付けられています。
但し、飲食代や小売業・タクシーのレシート等は『間接インボイス』については、税率と消費税額の何方かを記載すれば良いことになります。
※記載事項について
①適格請求書発行事業者の氏名または名称
②登録番号
③取引年月日
④取引内容(軽減対象品目である場合其の旨)
⑤税抜(税込)取引金額を税率ごとに区分した合計額
⑥上記⑤に対する諸費税額等及び適用税率
⑦請求書等受領者の氏名または名称
以上がインボイス制度についての大方の説明となります。
昨年の10月時点は、正直面倒な制度であると思いましたが、半年経過して何とな理解してきましたので、今回のブログにて掲載致しました。
新しいことを熟知するには、それ以前のことを熟知しないと良し悪しが分からないものです。
インボイスの事をもう少し綴って行こうと思います。
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