今後の土地境界確定について
『土地の戸籍』と呼ばれる制度になるようです。
避けては通れない自然災害の救済策として。
土地の境界確定と聞くと、世間の方でご興味のうすい方はピンと来ないと思います。
但し、不動産を購入・相続・売却される場合、最重要項目になり、最低限の知識として持ち合わせる必要が御座います。
国土交通省は、本年3月13日付にて、土地の境界や面積を確定する『地積調査』の迅速化に向けた報告書案を取りまとめ、土地所有者に調査協力を求め反応がない場合、一定の手続きを経て確認したとみなす仕組みを2024年度内に整えるとの事です。
再開発や災害時の復興事業で、土地取得を円滑にするのが大元の目的であり、導入する際は所有者に丁寧な周知が必要になるものです。
先ずは『地積調査』のご説明から、『土地調査法』に基づき土地の1筆ごとに面積や境界を確定する手続きになります。
登記簿に備え付けられた地図は、明治時代の不正確なものが多く、国土調査法に基づき1951年から始まり、市区町村が主体となり現地調査や測量を行い、登記簿に反映し土地売買・課税情報となるがため『土地の戸籍』の様なものです。
『自然災害の激甚化・頻発化を背景に地積調査の重要性が高まり、早期実施』が急務になりつつ、国土交通省で議論されております。
当初より、調査は想定より遅れており、その要因の一つが所有者確認です。
同省は、所有者に連絡しても返答がない場合、各市区町村が特定の手順を踏めば所有者が確定したとみなす制度を設ける様です。
同省として、本年内に省令を改正し、新制度を2024年度中に導入し、新制度は所有者へ地籍調査の実施を確実に知らせることと成りそうです。
同省は『立会の協力を求める通知を3回程度出し、少なくても1回は書留の方法』を取るようです。
測量図等の資料に基づき、作成した境界案の送付より20日間経過し、意見が無ければ確認があったと見なす流れを検討し、今後は詰めていくとの事です。
一方、所有者から立会への拒否・境界案に同意しない意思表示が有れば新制度の対象外になり、基本的に境界を定めないまま調査を終え、その後に境界を決める場合には『所有者の費用負担で再度測量する』手続きを踏む必要が出ます。
現在、所有者不明の土地でも、測量図等の資料がある場合、市区町村と法務局が協議し境界案を作成することができ、資料がない場合でも2020年から市区町村が境界の特定(筆界特定制度)が可能になりました。
地籍調査は、円滑な土地取引・再開発の後押しだけではなく、災害への備えとしても重要視され調査が進んでいない地域では、境界を巡るトラブルが起きやすく復興事業で区画整理が必要になる場合、手間が掛かることが予想されます。
2011年の東日本大震災時、甚大な津波被害のあった東北地方の前例を含め、地震大国である今日の日本では、重要問題を解決していくことでしょう。
また機会が御座いましたら、この問題の解決するグログを掲載したいと思います。
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