賃貸契約の民法改正について
従来と契約内容が変更になります。
大まかな説明は7点!
令和2年4月1日に賃貸契約に関する民法改正法が施行されました。
『住宅の賃貸借契約に関連する民法改正の概要』の説明ですが、概ねのご説明になります。
民法の債権関係の規定について、明治29年の民法制定後、約120年間ほとんど改正されていない状況でありましたが、社会・経済の変化に対応し、日本国民一般にわかり易い民法とする観点から、法務省の法制審議会の債権関係部会に於いて審議されたものになります。
住宅の賃貸借契約に関連する主な改正事項等について
①連帯保証人の保護に関して
個人根保証契約の保証人の責任等(民法第465条の2)
※保証人保護の観点から、極度額(保証人が保証する限度額)を定め、かつ書面等で保証契約をしなければ、保証契約の効力が生じない事を規定したものです。
主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務(民法第458条の2)【新設】
※保証人保護の観点から、連帯保証人が賃借人の債務の履行状況について賃貸人に情報提供を請求できるよう新設された規定です。
個人根保証契約の元本の確定事由(民法第465条の4)
※個人貸金等根保証の場合の元本の確定事由の規律を一般の個人根保証契約にも拡大しております。この一つとして、保証人は借主の死亡時までに生じている債務についてのみ責任を負い、死亡後に生じる債務は負わない事が規定されました。
②敷金に関して(民法第622条の2)
※敷金については新規の規定になりますが、判例法理により定義その他基本的な取り扱いを規定しております。
③賃貸人による修繕等に関して(民法第606条)
※従来の通説を踏まえ、賃借人に帰責事由がある場合に賃貸人に修繕義務がないことが、但し書きにて追記されております。
④賃借人による修繕に関して(民法第607条の2)【新設】
※修繕は本来、処分権限を有する賃貸人のみが行えるところを、例外的に賃借人が修繕できる場合を明記したものです。新設の規定ですが、従来の通説によります。
⑤賃借物の一部滅失等による賃料の減額に関して(民法第611条)
文言を変えておりますが、内容的に改正前の同規定に同様になります。
⑥賃借物の全部滅失等による賃貸借の終了について(民法第616条の2)
※改正前民法には賃借物の全部の使用収益をすることが出来なくなった場合、賃貸借が終了するという規定がないことから、判例法理を明文化されております。
⑦賃貸人の現状回復義務に関して(民法第621条)
※改正前民法には明確に規定されていなかった賃借人の現状回復義務に関する規律の内容を明確にするものであり、通常損耗等の回復は原則として現状回復義務の内容に含まれないとする判例法理を明文化した内容となります。
『住宅の賃貸借契約に関連する民法改正事項』についてのご説明になります。
私共も賃貸物件を取扱う上、貸主・借主へのご説明も十分に行われないと、金銭的にも大きなトラブルになります。
詳しくは、当社までお聞き頂ますようお願い致します。
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