外国人の方の不動産取引について
外国人の不動産売買
外国人の不動産取引について、色々な手続き・必要な書類が有ります。
近年の不動産取引の内容も、国内だけでも購入・売却される方の事情が様変わりしております。
世界から見ても、日本ほか、その周辺諸国では少子高齢化が進んでおります。
その中でも、日本国内の不動産取引は海外居住者が日本の不動産購入されることも次第に増加すると感じ取れます。
その中で重要なのは、『その国の言語を恒常的に理解しあい、通常会話から不動産の重要事項説明まで可能』で有ることです。
(注)万国の言語ではなく、特定地域の言語は可能です。
❶海外在住の外国人が『不動産を売却』する場合
日本国内に不動産を所有されている場合、日本国内の書類が重要です。
売却される方は『登記識別情報(2005年3月7日以前の登記で有れば登記済権利書)』と『印鑑証明書』が必須です。
海外居住されている場合、印鑑登録制度自体が無いので印鑑証明書以外の書類が必要です。
海外では、印鑑の代わりに『サイン(署名)』にて、本人のものとして証明し、『登記には印鑑証明書の代わりに署名証明書』を添付します。
※署名証明書は下記の機関で取得できます。
①外国人の自国の公証人
自国(国籍のある国)での公証役場で取得
自国での公証人のケースが多くなりますが、それ以外の国に居住している場合は手続きが複雑になります。
②外国人の国の駐日大使館・領事館
日本の大使館や領事館での取得(主に東京近辺)
③住所・名前が変更になっている場合
売主の住所・名前が、取得時(登記簿記載のもの)から、変更している場合変更の分かる証明書が必要です。
外国の公的証明書で、日本の法務局で使えるものは少ないようです。
外国の公的証明書がない場合、『署名証明書』と同様で以下の場所で取得します。
①外国人の自国の公証人
②外国人の国の駐日領事館
上記の機関で取得した証明書は、司法書士が作成した『宣誓供述書』にサインをして公証人が認証したものになります。
『宣誓供述書』の内容は、所有者(売主)によって異なり、登記を依頼する司法書士が作成します。
『署名証明書』と同時に取得することで手間が省けるので、司法書士との打ち合わせは重要です。
❷外国人の方が日本の不動産を購入する場合
①本人確認の必要性
外国人登録証明書(区市町村にて発行)ほかにパスポート(本国または大使館)
②住宅ローンについて
『永住許可者』は、日本人とほぼ同じ条件にて審査利用可能ですが、『未取得者』は特定の金融機関のみの取扱いになります。
『未取得者』は、金利・借入期間等に制限がかかります。
③登記申請・契約書類等について
登記の申請は、日本の不動産登記法(第10条)、外国人が売主の場合(その外国人が日本に居住している限り)『実印と印鑑証明書』が必要となります。
外国に居住している場合には、大使館発行の『サイン証明』可能です。
外国人が買主の場合、通常登記の申請手続きを代理人(司法書士等)に委任する場合、申請書への署名押印は不要ですが、『登記原因証明情報に署名押印が必要』になるため『認印』は必要なものになります。
④住民票について
外国人が買主になる場合、その住民票に代わるものとして『外国人登録原票』の写し、又は『外国人登録原票記載事項証明書』が必要になります。
⑤印鑑について
印鑑を作成所持する習慣がなくても、『印鑑証明書』を登録するにあたり『印鑑』の作成は必須です。
❸日本文の契約書・重要事項説明書について
外国人が日本国内において不動産の売買契約を締結する場合、その売買契約に適用される法律は『日本の法律』とされます。
売買契約書の作成や、重要事項説明書の作成(業務上の規制)についても、日本国の法律である『宅地建物取引業法』が適用されるので、書面の様式・内容は『日本語で記載されたものが原則』となります。
❹日本語が理解不能な外国人について
契約の相手側が全く日本語が分からない場合、契約は有効に成立しません(民法第176条)
その場合、その外国人の国の言語に翻訳した物を添付し、その国の言語で説明することが必要になります。
※通訳を通して契約をした場合、後日の紛争を避ける意味で『買主である当該外国人のほかに、通訳の人にも売買契約書・重要事項説明書に署名・押印(サイン)してもらう』事が必要とされます。
※通訳をつけて契約をする場合には、予め買主である外国人から『当該売買契約書・重要事項説明書の内容について通訳させる旨の委任状を受領』しておくことも重要となります。
以上が『外国人の方の売買契約』のご説明になります。
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