新法が創設した『定期借地権』とは⁈
50年以上の契約はメリット⁈デメリット⁈
期間の長い契約は要注意です!
お正月も、テレビ・ラジオで放映されている『箱根駅伝』も結果が決まると、お正月も終わりになったような気がします。
元旦に、子供の時からの友人から毎年、年賀状が届くとかなり嬉しいものです。
今回のブログは相談件数の多い『定期借地権』です。
存続期間を50年以上とする『借地契約』で、期間が満了した時に地主(土地所有者)が確実に土地の返還を受けられる借地権です。
地主は借地権上の建物の買取を借地人から求められることなく、土地は無条件で明け渡しされます。
1,創設された意図は⁈
旧法借地権は、借地人に対して強い保護を与えていましたので、地主から見れば土地をいったん貸してしまうと、ほぼ永久的に戻ってこないという不満があり、借地人から見れば地主が土地を貸し渋るので、借りるときには高額の権利金を支払うという問題がありました。
そこで、『新法借地権』は、『定期借地権』という権利を設定することにより、更新規定の適用を受けず、期間が確定した借地制度が出来ました。
ちなみに、『新法借地権』が制定されたのは、平成4年(1992年)8月です。
2,定期借地権の内容と設定は⁈
❶定期借地権の内容
定期借地権を設定する契約では、『存続期間を50年以上』としなければなりません。
この契約を締結する場合
『契約の更新』
『建物の再築による存続期間の延長』
『建物の買取請求権』
上記の規定が適用されないことを特約で定めることが出来ます(新法第22条)
つまり、定期借地権設定契約を締結する場合、それらの規定の排除を定めることができ、もし排除を定めない時は『普通の借地契約』になります。
❷設定方式
法的に、定期借地権の設定を『公正証書』による等、書面によって行わなければならないと定められ、必ずしも公正証書によらなければならないとはしていません
(新法第22条)
しかしながら、『定期借地権設定契約』は期間を50年以上とする長期契約なので、契約途中で契約当事者が代わることも予想され(例に挙げると、相続、企業の合併、借地権の譲渡等)により、後日、契約の効力を巡りトラブルが発生する事案も考慮されます。
従い、この『定期借地権』の設定は必ず公正証書によることが安心です。
『定期借地権』を得るための資格・条件は要求されません。
目的となる建物の用途についての制限もありません。
❸定期借地権の登記について
定期借地権の設定は『登記』しなくても可能です。
しかし、『普通借地権』と『定期借地権』では、借地人はもちろん、建物について所有権や抵当権を取得した第三者に対しても、その及ぼす効果が明らかに違います。
そこで、『定期借地権であることを公示』することが重要になりますので、地主は『定期借地権を設定した』という登記が必要になります。
そうすると、借地人やその承継人、若しくは第三者に対して『定期借地権』であることを問題なく主張できます。
『定期借地権』の説明は以上ですが、地主に有利になる内容ですので、借地権を購入するさいは必ず確認されることをお勧め致します。
借地権は、借主(借地権者)に有利な内容と思っている方も多いようですが、地主に有利な内容もありますので、ご相談される場合は、今回のブログをご参照されることを推奨させて頂きます。
特に分譲マンションは、『借地権』の内容を把握しないと、トラブルの原因になりますのでご注意頂きたいと思います。
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