家賃収入を得ると税金はかかる⁈(その1)
意外と知られていない不動産所得もあります!
不動産所得-経費は申告時に忘れないように!
長年、不動産の業務をしていると『家賃・権利金・更新料』などの所得について質問もなく、普通に設定しております。
①収入と所得について
一般に『所得』とは、収入から必要経費を差し引いた計算です。
所得税は、あくまで収入ではなく所得に対して課税され、通常収入と所得と同じように考えられていますが、収入と所得は全く異なります。
例に挙げれば、会社員の場合、会社から貰う『給与所得の源泉徴収票』の『支払金額』が収入金額となります。
そこに記載されている『給与所得控除後の金額』が所得金額になります。
給料の場合、必要経費とは呼ばずに給与所得控除額を呼ばれます。
このように収入と所得は、税金上全く意味が違います。
所得税は収入ではなく、所得にかかります。
所得税法では、10種類の所得について具体的にその所得の金額を、所得の計算方法を定めており、所得を10種類に分けられたのは税金を負担することが出来る能力(担税力)が異なるからです。
例に挙げれば、老後の資金となる退職所得は、担税力を考慮して所得の2分の1を課税対象とし、他の所得とは合算しないようにしています。
②不動産所得とは
土地・建物等の不動産を貸し付けることで得た地代、家賃、権利金、礼金などの所得を不動産所得と言います。
敷金は入居時に預託されますが、退去時に借主に返還されるものは収入にあたらないので、不動産所得には含まれません。
また、船舶・航空機の貸付による所得も不動産所得に該当します。
不動産の仲介などによる所得は事業所得または雑所得になります。
不動産の貸付を事業として行っている場合であっても、その所得は事業所得ではなく不動産所得で、土地や建物を貸して月々賃貸料を受け取っている場合ではなく、余った部屋を人に下宿させて家賃を受け取りする場合も不動産所得になります。
下宿でも食事を提供している場合やホテルのようにサービスの提供が主な場合は、事業所得または雑所得になります。
事業主が従業員に寄宿舎などを提供している場合に受け取る賃料も、事業に付随して発生する所得として事業所得になります。
月極駐車場は不動産所得になりますが、時間極駐車場はサービス業としての側面も有するので事業所得または雑所得になります。
ビルの屋上や側面の看板使用料は不動産所得ですが、店舗の内部の広告料は事業付随収入として事業所得になります。
③不動産所得の金額について
不動産所得の金額は、その年の地代等の総収入金額から必要経費を控除した金額となります。
一定水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人には、所得金額の計算などについて、青色申告者は必要経費を差し引いた残額から『青色申告特別控除額』を差し引いた金額が不動産所得となります。
満額の青色申告特別控除(65万円)の適用を受けるには、これらの条件のほか、不動産所得を生ずべき事業を営む人と限定されます。
不動産の貸付が事業として行われることが必要です。
建物の貸付が事業として行われているかどうか、社会通念に照らし事業的規模であるかどうかによりますが、次の1つに該当する場合、形式基準として事業として判定されます。
①貸間・アパート等については、貸与することができる独立した客数が概ね10以上あること。
②独立家屋の貸付については、概ね5棟以上であること。
収入-必要経費=所得(利益)
収入は、個人事業主であれば売り上げや雑収入のことで、給与所得者であれば給与の総支給額のことです。
必要経費は、個人事業主であれば必要経費のことで、給与取得者であれば給与所得控除額のことです。
所得(利益)は、ここに所得税が課せられます。
少し難しいのですが、不動産収入は経費の計上が必要です。
次回のブログは、続編として必要経費・総合課税について考察したいと思います。
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