賃貸取引のトラブル。。
金銭・物権トラブルは大変なんです。。。。
貸主・借主・管理会社トラブルは多いものです。。。
永年、不動産の取引を続けていると、数々のトラブルが起こるものです。
トラブルって必ず、『この取引は落度の無いから大丈夫でしょう』といった取引で起こるもので、本当に頭を抱える問題になります。。。。
今回のブログで、幾つかのトラブルを法的に見て説明したいと思います。
1,貸主が突然家賃を上げると言ってきた!
ことの始まりは、交通の便もよく家賃も廉価で満足していた方からの相談です。
前触れもなく、貸主が突然家賃を値上げしたいとの意見が出て、運悪く景気も段々悪くなっている時期でした。
家賃の増減に関しては、『借地借家法』で『経済状況の変動、近傍の家賃と比較して不当な場合には、家賃の増減額の請求ができる』とされています。
この点から言えば、貸主の値上げは合法です。
逆に言えば、借主から家賃の減額請求できますが、従来の家賃は借主と貸主にて決めたもので、それを一方的に変えるものでは有りません。
変えられるのは、当事者間で協議をして合意する場合や、裁判で確定した場合に限られます。
もし、大家と裁判になった場合でも、判決が確定する間、支払いを止めると賃料未払の債務不履行になります。
その間はは少なくても従来の家賃を支払いする必要があり、大家がそれを受領しなかったら、法務局に供託します。
その方法は、『管轄の法務局』で教えてくれます。
2,家賃滞納でマンションを追い出されるかも。。。
相談者は、賃貸マンションに居住しており、先月家賃を10日遅延して振込された方で、大家さんが憤慨して、契約違反だから退去してほしいとの内容です。
但し、相談者は退去したくないという思いが有るようです。。
そもそも、家賃の支払いが遅れるというのは、法律上『債務不履行』になります。
『債務不履行』がおきた場合、原則として『契約解除』できます。
しかしながら、即時退去しなければならないのか、それには及びません。
借地・借家の場合、債務不履行のハードルは高く設定されており、家主と借主の信頼関係が破壊されていなければ解除出来ません。
家賃の支払いが10日遅延しても、信頼関係が破壊されるまでは行かないのです。
一般に家賃が遅れて、退去しなければならない期間は『3ヶ月以上』でしょう。
まずは大家と話し合い、それでも大家が納得しないのであれば、最終的に裁判で決着するしか有りません。
裁判費用も自分持ちになるので、滞納は極力抑えたいものです。
3,同じマンション内で、隣と同じ間取りで賃料が2万円も高い!?
この方は、『賃貸マンションに住んでおり、最近入居した方と話していたところ、相談者の賃料が2万円高く、その支払差額を戻してもらいたい』といった相談です。
原則として、払いすぎた家賃を取り返すのは不可能です!!
その理由として『物件の賃貸借契約』を締結しているからです。
家賃の額は、契約書にて双方合意の上、大家が相談者に隣より2万円高めで貸していたとしても違法性は無いのです。
但し、借地借家法に『近隣の家賃と比べて不当な場合』に家賃の減額請求が出来ると記載されたおり、借主から減額請求出来るものとされております。
まあその際に、大家が納得しない場合は、簡易裁判所に提訴し調停、裁判して相場の家賃を決めてもらうことです。
その裁判に勝てば、家賃減額請求の行動を起こした時点からの家賃は払い戻しして貰う事が出来ます。
4,入居したら条件が違う!?誰に相談すべきか!?
相談者が引越したところ、不動産業者のチラシに『エアコン付き』と記載が有ったのに現実は『エアコンは自費で設置』と二転三転。。。
契約後、その不動産屋に抗議したら、『直接大家に相談したらいかが!』とのメールが帰って来たとの内容です。
有ってはならない相談例ですが、法的に解決できるものでしょうか!?
考察しますと、賃借人が入居に際して契約した相手側は大家なので、大家に対して交渉する内容ですが、大家は物件概要に関して公にした責任が有ります。
大家の知らない所で不動産業者が『エアコン付き』にするとは考えづらいものですが、物件概要に記載していれば、『大家はエアコンを設置』しなければなりません。
この場合、エアコンが提供されない場合『債務不履行』にあたります。
今回の相談内容の場合、借主は大家に対して『エアコンの設置する請求』が可能です。
請求しても大家が動かなければ、此処は最重要ですが『自己負担でエアコンを設置し、その実費を』大家に請求し金銭の受領する事が出来るのです。
コレからの時期は、エアコンの無いのは非常に耐え難いものです。
先ずは、申込みの際に、エアコンの設置条件にする事が、一番トラブル回避出来ますが先のことは、今回の事例のように難しいものです。
賃貸契約は、金額の他に各条件が重要視され、貸主から見ればお金を出したくない。
借りる方は、正直に言えば『余計な設備費用を払いたくない』というもので、現在もホームページに記載しておりますが、家賃を貰う前の出費を極力抑えたいということで、私達の悩むポイントになります。
不動産契約、特に賃貸取引は、契約後に揉めるものでホトホト困ります。。。
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