地主が貸している土地が競売にかかった場合は⁈
場合により『借地非訟事件』になります!
借地権の無断譲渡って。。
不動産の仕事は、まさに色々な経験を積んで、お客様にその事実関係を伝える過程で、話しづらい内容もあり、プライバシー、秘密保護は出来ない場合も有ります。
過去、とんでもない事案に対して対応したことも御座います。
その一つを、ご説明したいと思います。
1,貸地上の建物の抵当権が実行されたとき
地主から土地賃貸借契約後に、借地人が家を建てて居住してました。
その借地人の所有している建物が競売にて申し立てされた事案です。
①無断譲渡なのでは⁈
この場合、地主が驚く内容で、借地人を信用して土地の賃貸借契約をしたのですが、その借地人所有の建物が競売にされ、競落後に第三者に渡り、地主の知らない間で『借地権の譲渡』が行われたことに成ります。
このような『借地権の無断譲渡』は、【民法第612条】の規定があり、借地上は地主に無断で譲渡することは出来ないものです。
もし借地人が無断で譲渡した場合、地主は土地の賃貸借契約を解除できることになっています。
民法の規定だけで考えれば、借地人の建物が競売にかけられて、競落人が決まれば借地人との『土地の賃貸借契約』を解除すれば良いことに成ります。
しかしながら、一番困るのは『建物の競落人』で、『借地権のない建物』はとても難しい事態しょう。
地主が借地権の譲渡をしてくれない物件は、『競売情報サイト』で見聞しておりますが、入札金額が廉価で、この内容を知らない方が入札・落札されることも多いのですが、とても危険です。
この理屈から言えるのは、建物の担保価値が有りませんので、借地上の建物は銀行等からの担保にならないことに成ります。
2,地主の承諾が必要!
そこで抵当権者や競落者(購入者)の利益保護は、有るのですが
【借地借家法第20条】に、競売や公売で借地権付きの建物を取得した第三者が、借地権設定者の承諾を得ずに賃借権を設定できる場合の規定が有ります。
その第三者が借地権を取得しても不利にならないよう、裁判所はその第三者の申し立てによって賃貸人の承諾に代わる許可を与えることが出来ます。
この場合に裁判所は、当事者間の利益の衡平を図るため必要があると考えた時は、借地条件を変更し、財産上の給付を命ずることが出来ます。
この場合、公平を図るために『地代を値上げしたり、相当額を地主に支払う様に競落人に命ずる』事が出来ることになるのです。
地主は、第三者に土地を貸すを嫌う場合、借地権を買い上げすることは、その旨、裁判所に申し立てる必要が有ります。
この申し立てがあると、裁判所は特段の事情が無い限り競落人からなされた『賃借権譲渡許可申し立て』に優先して、相当の対価を定めて、地主にこの『借地権付きの建物』を譲渡するよう競落人(第三者)に命ずることになります。
これにより、地主は前賃借人と同等の効果を納めることになります。
地主は、色々と面倒なことも有るので、世代交代した時や、景気が冷え込んだ時期は色々と相談されることが多いものです。
不動産会社の関係者でも、今回の事案についてノウハウがある方も少ないもので、専門知識を普段からつけないと、いざと言う時に困惑するので、当方も日々学習を欠かさないよう精進致します。

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