請負契約について!
委任契約同様に【請負契約】でも瑕疵責任が有ります!
土木・建築の瑕疵担保!
以前のブログで『委任契約』を掲載させて頂きました。
今回のブログは『請負契約』について考察したいと思います。
『請負』とは、当事者の一方(請負人)が、ある仕事の完成を約束し、相手側(注文者)がその仕事の結果に対して報酬を支払うことを約束することによって成立する『諾成・双務・有償の契約』です。
具体例
・建物の建築を建設会社に依頼する契約
・自動車修理工に自動車の修理を依頼する契約
・クリーニング店に洋服等のクリーニングを依頼する契約
・運送等の請負契約
【民法第632条】
この仕事は、有形『建物の建築など』・無形『作曲・作詞など』を問わないとされております。
1,請負人の義務について
①仕事の完成義務
請負人は仕事を完成する義務を負います。
その際に下請を使うことは差し支えありません。
しかしながら、下請を使う場合は、下請人の過失で履行できない場合も請負人の責任となります。
②完成目的物引渡しの義務
請負人は、建築請負のように物(建物等)の完成が請負契約の目的である場合は、完成した物(建物等)を引き渡す義務となります。
③瑕疵の責任について
建築請負において、完成した物件の所有権を誰に帰属するかは、材料を提供を主として注文者が行ったか請負人は過失の有無に関わらず『瑕疵補修』『損害賠償』『解除の責任』を負わされます。
上記は『請負人の瑕疵責任』と言います。
❶瑕疵修補責任
請負人の担保責任(2017年に改正)
仕事の目的物に瑕疵があるときは、注文者は請負人に対し相当の期間を定めて、その瑕疵の修補を請求することが出来ます。
但し、瑕疵が重要でない場合において、その修補に過分の費用を要する時は、この限りではありません。
【民法第634条第1項】
❷損害賠償責任
注文者は、瑕疵の修補に代えて、又はその修補とともに、損害賠償の請求をすることが出来ます。
この場合において『民法第533条』の規定を準用します。
【民法第634条第2項】
❸解除について
以前は【民法第635条】に記載されておりましたが、民法改正にて削除されております。
【請負人の担保責任】
仕事の目的物に瑕疵があり、そのために契約をした目的を達成できない時
注文者は、契約の解除ができることになります。
但し、建物そのほかの土地の工作物については、この限りではありません。
④請負人の担保責任の存続期間について
❶請負人の担保責任の存続期間
民法改正前
注文者が請負人に担保責任を追及できるのは、原則として目的物の引き渡しが必要な場合は引き渡し時から、目的物の引渡しが必要な場合は引渡し時から、目的物の引渡しが不要な場合は『仕事終了時から1年』とされております。
民法改正後
1,注文者がその不適合を知った時から1年以内にその旨を請負人に通知しない時は、注文者は、その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額請求、損害賠償の請求・契約の解除することが出来ません。
2,前項の規定は、仕事の目的物を注文者に引き渡し時において、請負人が同項の不適合を知り、又は重大な過失によって知らされていない時は適用されません。
【民法第637条】
❸請負人の担保責任の存続期間
2017年の民法改正後
1,建物そのほかの土地の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引き渡し後の5年間の担保責任を負います。
但し、この期間は、石造・土造・レンガ造・コンクリート造・金属造そのほかこれらに類する構造の構造物については、10年となります。
【民法第638条】
2,注文者の義務について
注文者は、請負人に対して報酬支払義務を負います。
支払いは原則として後払いとなります。
【民法第633条】
❶目的物の引渡しが必要な場合は、その引き渡しと同時に支払いになります。
❷目的物の支払いが不要な場合は、仕事の完成後の支払いになります。
3,請負契約の終了について
①注文者の自由解除
請負人が仕事を完成しない間は、注文者はいつでも損害賠償して、契約の解除ができます。
【民法第641条】
②注文者の破産した場合
注文者が破産した場合、請負人または破産管財人は請負契約を解除できます。
但し、請負人による契約の解除については、この限りではありません。
こちらも民法改正されて、変更されております。
上記の規定の場合、請負人は既にした仕事の報酬及びその中に含まれていない費用について、破産財団の配当に加入できます。
【民法第642条】
この場合、不況が続いている時期は、契約の終了を少しでも頭の中に入れておく必要が御座います。
景気が良くても悪くても、何が起こるか分かりませんので、ご注意頂きたいと思います。

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