契約書がない!!!
人は不安になれば、焦ることが沢山ありますが。。
『借地非訟』ってご存知でしょうか!?
私も業界経験が長いのかタイトルの『契約書がない!!!』と言う相談を何度か受けたことが有りますが、紛失されて方の気持ちを察して対応したことが何度か御座います。
ご契約された方は、イザという時に焦るのも無理はなく、当方としては冷静に対応するしか御座いません。
今回は前回のブログに引き続き『借地権の契約書』のご説明になります。
借地権の保全には、2つのポイントが有ります。
1,地代を地主に支払っていること。
2,借地上の『建物の登記』がされていること。
この2つの事が今までの経験上、最低限必要になります。
※借地権を保全できているかは『地代の支払い』『建物が登記されているか』です。
因みに、『借地権の契約書が何処を探しても出てこない、どうしよう!!』という相談を度々相談されますが、紛失した場合、地主に直接 再発行若しくは、コピー等の写しを頂くことをお勧め致します。
地代の支払いについては、金融機関での振込される場合は必ず『振込控』を取得しないといけません。
私も自動支払機での振込している側の人間ですが『機械操作する際は、十分注意が必要で不発行の操作』もあります。
他に、地代を直接支払う場合は、地主からの領収書を現金と引換にしなければなりません。
意外と上記件、支払った後に領収書を受理し忘れが、後で意外と問題になります。
また、建物登記がしてあるかは、当該地所轄の法務局にて確認し、登記簿謄本を取得し『乙区』に記載しております『所有者の住所・名前』を確認する事が容易です。
以上が、大まかでは有りますが『借地権の契約書を紛失した』際の対処法になります。
最近、よく家が傾いて隣接地の家で支えて何とか形状を維持している廃屋を見受けられます。
近隣の年配の方に聞いてみると、借地権のようで『借地権の契約者が不在』のようです。
法的には、その借地権者が維持の為の対応する必要が有りますが、重大な事柄であると思います。
所有権であれば買手が見つかりやすいのですが、借地権の場合は、色々な手続きがあり買手が見つかりにくいものです。
前置きは以上ですが
今ブログの後半は『借地非訟』についてのご説明になります。
借地非訟は、借地契約の解除や賃料増減の紛争には利用できませんが、借地に関するトラブルについては『借地非訟』という特別な手続きが取られます。
通常の民事訴訟のように、当事者が対立する構造をとらず、国家(裁判所)が間に入り紛争解決のサポートするものです。
手続きは申立てによる他、裁判所の職権により開始されますが、審理は公開されず裁判所の判断ではなく『決定』という形になります。
但し、手続きは借地に関する紛争の全てに利用できません。
借地契約の解除、地代の増減に関しての紛争には利用できません。
※利用できる事例について
1,建物の種類・構造などに関する借地権条件の変更の申立て
2,建物の増築・改築許可の申立て
3,土地の賃借権の譲渡・土地の転貸許可の申立て
4,競売・公売に伴う土地の賃貸借譲渡の許可の申立て
5,賃貸人(土地所有者・地主)自らの建物譲受の申立て
6,更新後の建物の再建築許可の申立て
借地権を設定する際に、建物の種類・構造・規模・用途について細かい制限があります。
『1,建物の種類・構造などに関する借地権条件の変更の申立て』の項目
法令の変更、その他の事情の変更によって、こうした借地条件を変更する事が妥当と認められているのに、当事者の協議が整わない場合に広く利用されます。
『2,建物の増築・改築許可の申立て』の項目
借地契約において、増築・改築の禁止や地主の承諾を必要とする特約がある場合に、借地人が行おうとしている増築・改築が、土地の通常の利用方法からして許可が出るのですが、地主側から承諾を拒否された場合に利用できます。
『3,土地の賃借権の譲渡・土地の転貸許可の申立て』の項目
借地権者が土地の賃貸借を譲渡するか、または土地を転貸する場合、地主が承諾拒否する場合に利用出来ます。
何れの場合も、裁判所が地主の承諾に代わる許可の裁判をしてくれるものです。
※手続きはどのように進行するのか!?
裁判所は、当事者の主張を整理・検討しつつ更に鑑定委員会の意見書を参考にしながら、場合により和解・民事調停に移行するなどの処理を取ります。
上記の処理が難しい場合は、最終的な判断を示し、借地条件の変更を借主が求めている場合であれば、それを認めるのかどうか、認める場合はどのような条件を課すのかなどを決定する訳にになります。
何れにせよ、借地権の物件を購入・相続・譲受する場合は、地主との関係を重視する事を念頭に置くことが大事です。
『借地非訟』の場合、時間と費用がかかる事をご理解頂ますようお願い致します。
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