成年後見制度とは?
そもそも成年後見制度とは?
年をとったり、障害があることにより物事を正しく判断する能力が
十分でなくても安心して生活して暮らしていくことができるように本人を法律的に
保護する制度です。
認知症で判断能力が低下した人や知的障害者らが不利益を被らないために家庭裁判所
が選んだ後見人らが本人に代わり預貯金等の管理を行う制度。
悪徳商法の各種契約を取り消すことも当然可能!ただし後見人の交代には家庭裁判所
の許可が必要となる。
「親子なので当然自分が後見人になると思っていた・・・」東京都内在住のある女性
は5年前に認知症の母に後見人をつけた時のことを振り返る。
母名義の不動産取引の為、成年後見制度の利用を裁判所に申し立てた。申請書類の
候補者の欄には実の娘である自分の名前を書いたが、家庭裁判所が選んだのは全く
初めて会う弁護士だった。
母が亡くなるまでの約1年間、弁護士に報酬として支払ったのは計約70万円。
その間、弁護士がその女性の母に会ったのは選任後の1回だけだったという。
女性は「弁護士は様子を見ることもなく、きちんと支援ができるとは思えない」と
憤っているとのこと。
最高裁判所によると、成年後見制度の利用者は2020年末時点で約23万人。
それに対し認知症の高齢者が約600万人と推計される中、成年後見制度の利用の
低調さが際立つ。背景には使い勝手の悪さがある。後見人は家庭裁判所が財産の
規模んあどに応じて選ぶため必ずしも親族が後見人になれるわけではない。
親族の後見人は全体の約20%程度とのこと。
後見人は、認知症の高齢者らの財産を管理する代理権がある。制度発足当初は
親族が選ばれるケースが多かったが財産の着服など不正が相次ぎ専門職が増えたと
いう。家族内の金銭管理に第三者の監視が入ることになるため、家族が戸惑うケース
も少なくない。
後見人の報酬は、管理する財産の額に応じて決まる基本報酬と、特別な業務を行った
時に支払われる付加報酬がある。管理する財産に応じて月数万円が目安だが実際の額は
家庭裁判所が個別に判断するため家族は事前に知ることができないそうです。。。
これではなかなか「成年後見制度」の利用を躊躇する人は多くなるかと・・
そこでこのたび「成年後見制度利用促進基本計画」ということでこの3月にも決定する
とのこと。見直しの柱の一つが後見人の交代の推進で不動産取引や相続など専門知識が
必要な場面は専門職の力を借り、日常生活の支援が中心になった場合、親族や市民後見人
に交代する「リレー方式」を想定している。
市民後見人は自治体などが地域住民希望者に研修を実施し後見人を担ってもらう仕組だ。
当事者のもとへ頻繁に足を運びやすいことなど、日常生活の支援に向いているとされてい
る。弁護士等専門職は、日常生活の細かなニーズまで把握することは難しく、たしかに
日々の生活に関しては市民後見人や親族に交代することでよりいっそう生活に密着した
支援を受けやすくなることが予想されている。
市民後見人の育成に取り組んでいる某区社会福祉協議会の方曰く、「同じ地域に住む
住民の目線で温かみがある支援を受けることができる。住民同士が互いに助け合う仕組み
を構築していくことが重要です。」とのこと。
ただ、市民後見人の割合はまだ1%に過ぎず普及するには担い手の確保と制度の周知
が必要。また市区町村によってはまだまだ人材が足りなく、さらに人によっては
まったく身寄りがいないなどの理由で、後見人を務める人がいないケースもあり、
場合によっては法人後見を引き受けている市区町村関係団体もあるという。
以上、2022年2月18日読売新聞の記事でした。現在、当方においても成年後見制度に
かかわる案件が2件あり、現在も司法書士および親族その他関係者と諸々協議を
重ねながら粛々と進めているところです。上記制度が本当の意味で弱者保護になる日が
早々に来ることを切に願う次第です。
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