住宅を売ると税金がかかるの?
不動産の売却は『5年の期間』が大きな違いが有ります。
借地権も『譲渡所得税』がかかります!
10月に入り、ようやく猛暑に悩まされる日から解放されそうです。
天気予報を見ていると、2年前の方が、暑い日が多いと言った報道しておりますが、夏場の暑い日が続くと秋の気配には敏感になります。
今回のブログは久しぶりに『住宅を売る時の税金』について、考察したいと思います。
当方は不動産会社ですので、本職の税理士・会計事務所の方々のご説明には劣りますが、ブログで分かりやすく掲載したいと思います。
1,どのような『税金』がかかるのですか?
不動産のご売却のご依頼、もしくは相続されたばかりの人からの質問が、タイトルのご質問が必ず御座います。
ひと昔以上前は『家を購入するのは一生に一度』と言いましたが、最近は時代の流れでしょうか、2回3回と買い替え、グレードの上げ下げがあり、買い替えされるご相談が多いものです。
その時に、後で問題になるのが『不動産の売却に伴う税金』の発生です。
何分、不動産は価格については高額であることであり、売却後の税金負担が大変なものですが、特例制度も色々と有りますので、その制度の利用が節税効果になります。
不動産売却時の税金は、どの程度保有していたのかで、税金の種類・課税内容が違うものです。
①個人(給与取得者)が土地・建物を売却した場合
譲渡所得に対する所得税・住民税は、長期保有(5年以上『1月1日~12月31日を最低5回』)は、軽減されますが、以内の短期保有の場合は売却益が出た場合は、重課されるので要注意です。
②不動産業者(個人事業主)が土地・建物を売却した場合
事業所得に対する所得税・住民税は、短期保有土地の売却益にあっては、『短期所有土地譲渡益重課制度』が設けられております。
しかし、令和8年3月31日までの間、その重課の適用は停止され、通常の事業所得と同様『総合課税』により課税されます。
③法人格の不動産会社(株式会社・有限会社等)が土地・建物を売却した場合
長期保有の土地の売却益にあっては『一般重課制度』が、短期保有土地の売却益にあっては『短期所有土地譲渡益制度』が、それぞれ設けられておりますが、令和8年3月31日までの間、その特別課税による重課の適用が停止され、通常の法人税・住民税だけ課税されます。
これ等の税金については、居住用財産を譲渡した場合や、買い換えた場合、優良住宅地の造成等のために、土地を譲渡した場合など一定の場合には、特例が認められております。
④他にも次のような税金が関係します。
不動産売却時に、『売買契約書』を取り交わしますが、契約書に収入印紙を貼付する必要が有りますので、『印紙税』が賦課されます。
抵当権の抹消登記をして、不動産を売却する場合に『登録免許税』を収める必要が有ります。
※登録免許税は、不動産1件につき1,000円を収める必要が有ります。
例として、土地が6筆あり、建物が1筆の場合、7×1,000円
売却時に7,000円の『登録免許税』が賦課されます。
不動産業者の仲介により、不動産を売却される場合の仲介手数料・登記をする際の司法書士に支払う登記手数料が『消費税』の課税対象になります。
2,土地・建物を売却した場合の譲渡所得の税金は?
個人が、土地・建物を売却し利益(譲渡益)が生じた場合、その利益に対して『所得税』と『住民税』がかかります。
この課税対象となる利益のことを、税法上『譲渡所得』と呼びます。
『土地・建物の売却時の税金』は、この『譲渡所得』を正確に計算することが重要です。
そして、売却した土地建物の所有期間の区分が『5年を超えるのか、5年未満』に応じた税額計算の方法により、納税する計算になります。
※借地権の譲渡も同内容になります。
先ずは、『譲渡所得』の金額を計算することから始まります。
次に、売却した土地建物の期間が『5年を超過』しているのか『5年に満たない』のかで、税額計算の方法により納税額が決まります。
3,『課税譲渡所得金額』の計算は?
『譲渡所得金額』は、譲渡による収入金額(譲渡価格)から、その不動産を取得した時の価額や取得に要した費用(取得費)、及び譲渡に要した費用(譲渡費用)を差し引いて計算されます。
この『譲渡所得金額』から、更に特別控除の費用がある場合、その特別控除額を控除して求めたものが、税額計算の基礎となる『課税譲渡所得金額』と言います。
4,取得費用・譲渡費用として差し引けるのは?
※課税譲渡所得金額の計算式
課税譲渡所得金額=『譲渡価額-取得費-譲渡費用-特別控除』
①取得費
売却した土地や建物の購入価額(建物は減価償却後)
購入時の不動産仲介手数料
購入の際に支払った立退料・移転費用
売買契約書に貼付した収入印紙
登記費用・登録免許税
搬入費用等
建物の取り壊し費用等
※購入時の契約書類・各領収書にて確認します。
※取得費が不明の場合、譲渡価額の5%が取得費と見なされます。
②譲渡費用
土地や建物を売却するために要した費用です。
売却の際の不動産仲介手数料
売却に伴う広告費用・測量代
売買契約書に貼付する収入印紙
売却に伴う立退き費用、建物の取り壊し費用等
③特別控除
居住用財産を売却した場合
3,000万円の特別控除
特定住宅地造成事業等の為に、土地等を売却した場合
1,500万円の特別控除
※特定住宅地造成事業は、住宅の建設、宅地造成するために買い取られた場合、土地収用法などに基づき、収容するものが対価に充てるため土地が買収する場合になります。
④そのほか
土地・建物を売却する際、売買代金とは別に売主・買主間で日割り計算により、固定資産税・都市計画税を振り分けて各々負担するのが一般的です。
固定資産税等は、税務申告上、売主が受領したものは、『譲渡収入』となり、買主が支払ったものは『取得費』となります。
また、売主若しくは買主が消費税の課税事業者の場合、建物の固定資産税は『消費税の課税対象』になるので注意が必要です。
5,配偶者居住権等の取得費の計算?
『配偶者居住権』等は、民法改正により『配偶者の居住権保護』を目的として、配偶者が相続開始時に居住していた被相続人の所有建物を対象として、終身又は一定期間、配偶者にその使用又は収益を認める内容とした法定の権利になります。
その『配偶者居住権』等の譲渡所得の計算における取得費の計算も御座います。
①配偶者居住権等の消滅により、対価を得た場合の取得費用
❶被相続人の居住用建物等の取得費
(取得日から設定日までの減価の額の控除後)
❷配偶者居住権設定時の配偶者居住権の価額
❸居住建物等の価額
❹設定時(相続時)から消滅までの期間に係る配偶者の居住権の減価の金額
計算式
❶×(❷÷❸)-❹=❺配偶者居住権等の消滅により、対価を得た場合の取得費用
②居住建物等の所有者が譲渡した場合の取得費
居住建物等の売却時の取得費-❺上記の取得費用
※対価を得て配偶者居住権等を消滅させた場合は、配偶者の譲渡所得課税となりますが、土地・建物の譲渡と同様に分離課税となるか、借家権の消滅の対価と同様に総合課税となるかは、所轄の税務署に確認が必要になります。
ここまでが、ご売却した場合の基本的なご説明なります。
6,長期・短期の区分について
此れまでの算出法にて『課税譲渡所得金額』を求めましたら、次は譲渡した土地建物の所有期間の区分(5年越しているのか、5年未満)に応じた税額計算の方法にて計算されます。
まず、譲渡した土地建物の所有期間を区分する必要が有ります。
具体的に、土地建物の譲渡した年の1月1日において、所有期間が5年を超過する場合は『長期譲渡所得』、5年以下の場合を『短期譲渡所得』として区分されます。
ここでの注意点は、所有期間5年と言うのは、その土地や建物を購入した日から売却日時までの期間で計算では有りません。
譲渡した1月1日で判定されるので、通年で5年経過しなければなりません。
7,長期譲渡所得の税金の計算は?
長期譲渡所得(所有期間5年超)に係る税金計算
課税長期譲渡所得金額×20%(所得税15%・住民税5%)
上記の計算で算出されたのが納税の対象になります。
確定申告時に『復興特別所得税』として、所得税額の2.1%が別途かかります。
8,短期譲渡所得の税金の計算は?
短期譲渡所得(所有期間5年以下)に係る税金計算
課税短期譲渡所得金額×39%(所得税30%・住民税9%)
上記の計算で算出されたのが納税の対象になります。
確定申告時に『復興特別所得税』として、所得税額の2.1%が別途かかります。
9,譲渡損失が生じた場合は?
売却時に、購入金額より少ない『赤字』になった場合は、確定申告することにより『譲渡損失と給与所得等』の他の所得のが通算されて税金が戻りましたが、平成16年1月1日より厳しめになりました。
以前は、損益通算の税金の戻りも有りましたが、一定の要件を満たす居住用財産の譲渡損失については、他の所得との通算及び3年間の繰り越し控除の適用を受けることもできます。
10,譲渡所得の申告の手続きは?
譲渡所得がある場合には、翌年の3月15日までに所轄の税務署に申告し、納税することになります。
この場合の申告書は所得額の確定申告B及び、第三表(分離課税用)を用いますが、最近はインターネットにて申告されるケースも御座います。
税務署へは、譲渡所得を計算するための『譲渡所得の計算明細書』特例の適用を受ける時には特例ごとに定められた書類等を提出することになります。
住民税については、税務署に申告した場合、その申告書の内容が各区市町村へ回ります。
手続きは不要となります。
不動産の売却の際の税金は以上ですが、次回のブログは『軽減の特例措置』について考察したいと思います。
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