『媒介契約』について④
『媒介契約』は売主に説明する大事な書類です!
『媒介契約』は宅建業法の基本です!
9月に入っても東京では、最高気温が35度を上回る記録的な猛暑が続いております。
6月から真夏日、7月8月は国内最高気温を上回り、2025年は本当に厳しい暑さですが、健康維持には猛暑は、冷房を使わないと命に関わるものです。
ブログで色々な不動産の内容を記載しますと、色々な相談も多いものです。
売却に伴う『媒介契約』は、資産を取り扱うもので、非常に重みのある仕事です。
今回のブログは、大切な財産の売却についてのご説明です。
1,専任媒介契約・専属専任媒介契約の規制について
『専任媒介契約』『専属専任媒介契約』は、依頼をした宅地建物取引業者以外の業者に重ねて媒介・代理を依頼することを禁止する『媒介契約』のため、依頼者は強い拘束を受けることになります。
このため、依頼者保護の観点から、有効期限を定めるとともに、契約を締結した宅地建物取引業者に対して、一定の義務を課しております。
【宅地建物取引業法第34条の2、第3項~第7項、第9項】
①有効期限の制限について
【宅地建物取引業法第34条の2、第3項、第4項】
『専任媒介契約』『専属専任媒介契約』の有効期限は、3ヶ月を超えてはならず、3ヶ月を超える定めをしても、その期間は3ヶ月に短縮されます。
有効期間は、依頼者の申出により更新できますが、更新された契約の有効期限は、同様に3ヶ月を超えることは出来ません。
更新の際は、後の紛争を避けるため、依頼者の申出を『文書』によって確認することが重要で、更新の申出は依頼者から行いますが、宅建業者が更新に同意しない時は、契約は更新されません。
②指定流通機構への物件登録
【宅地建物取引業法第34条の2、第5項】
【則第15条の10,第1項、第2項】
『専属専任媒介契約』は、依頼をした宅地建物取引業者以外に重ねて、媒介・代理を依頼することが禁止され、かつ、依頼者による自己発見取引も禁止され、専属専任媒介契約を締結した宅建業者は、目的物件を指定流通機構に契約の締結の日から『5日以内』に登録しなければなりません。
『専任媒介契約』 の場合は、契約締結の日から『7日以内』に登録しなければなりません。
重要ポイントですが
この『5日』または『7日』の登録期間の計算においては、媒介契約の当日は含まれません。
※初日不算入の原則【民法第140条】
※宅地建物取引業者の休業日は含まれません。年末年始等の長期休業の場合は、要注意です。
③登録証明書の交付
【宅地建物取引業法第34条の2第6項、第50条の6】
指定流通機構(レインズ機構)に登録した宅地建物取引業者は、同機構が発行する『登録を証する書面(登録証明証)』を遅滞なく依頼者に引き渡さなければなりません。
※『登録証明証』はパソコンの操作の誤りがあると『不発行』になることも有ります。
『デジタル社会の形成を図るための法律関係の整備に関する法律』に基づく建物取引業法の改正により、令和4年5月18日以降は、『書面の渡し』に代えて、政令で定めるところにより、依頼者の承諾を得たうえで、当該書面において証されるべき事項を『電磁的方法』であって国土交通省令で定めるものによる提供も可能になりました。
【宅地建物取引業法第34条の2第12項】
※この改正はとても便利で、SNS等や色々利便性がよくなりました。
④業務処理状況の報告義務
【宅地建物取引業法第34条の2第9項】
売買等の申込みに関する報告義務のほかに、『専任媒介契約』を締結した宅建業者は、2週間に1回以上
『専属専任媒介契約』を締結した宅建業者は、1週間に1回以上、業務の処理報告を依頼者に報告しなければなりません。
報告の内容は、契約の相手方にその理由を記入することになっております。
⑤成約情報の通知
【宅地建物取引業法第34条の2第7項】
【則第15条の13】
指定流通機構に登録した宅建業者は、登録した物件について売買・交換の契約が成立した時は、遅滞なくその旨を同機構に通知しなければなりません。
その通知は
①当路記番号
②宅地建物の取引価格
③契約の成立年月日
通常上記の登録が義務付けされておりますが、中には売主から情報の公開を拒む方も少なからずいらっしゃいます。
(ここは重要ですが、依頼者からのご意見はとても重いものです)
2,売買契約の解除等、報酬請求権への影響について
成立した売買契約が、何かしらの事由で消滅した場合
報酬請求権はどうなるのか、原則として当事者間の約定によりますが、もし約定がない場合はどう取扱いされるのか疑問が残るものです。
①売買契約の約定による解除は?
解除権留保付き売買契約の場合(手付放棄・倍返しによる契約解除)には、媒介業者の報酬請求権に影響を及ばさないとした裁判例が多いです。
裁判例の中では、報酬請求権が消滅、もしくは相当額に減額される事例も有ります。
②解除条件成就による解除は?
標準媒介契約約款では、住宅ローンの不成立時、規定されこの場合は、受領した報酬は全て返還しなければなりません。
③停止条件不成就による契約効力の不発生は?
標準媒介契約約款では、停止条件成就の場合に『報酬請求権』が発生するとされていますので、この場合、報酬を請求することは出来ません。
弊社も、この約款を準用しております。
④当事者の債務不履行による解除は?
報酬請求権に影響を及ばないとする裁判例が多いですが、媒介業者に契約の履行に係る業務がなくなる理由に、報酬請求権が消滅したり、それ相当額に減額されることも有ります。
その債務不履行に関して、媒介業者に媒介契約上の義務違反がある場合は、報酬請求は出来ません。
※調査義務の債務不履行は、その代表的な原因とされております。
⑤合意解除は?
報酬請求権については、何ら影響しないとされております。
⑥不動産業者の責任において、契約が無効・取り消された時は?
報酬請求権は、発生しないことになります。
以上が、『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』の基本的なご説明になります。
次回はその内容【約款】について、考察したいと思います。
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