『消費者契約法』について③
『サルベージ条項』の内容は消費者契約には通用しません!
『消費者保護』に4項目有ります!
8月に入り、亀戸5丁目町会恒例のお祭り、御神輿・盆踊り大会も開催し、すっかり地域の行事に参加して夏気分になっておりますが
前回のブログにて『消費者契約法』について、色々と綴りましたがこの法令は、不動産業界のみならず、各種業界にも通用しますので、困ったときは見返すと便利です。
※消費者契約法は、熟知されていると、とても安心であると思います。
特に『困惑の類型』については、枝葉が広がっている内容ですので、不動産業界以外の消費者に対する対処法も有ります。
今回のブログは『不当条項』に関する内容でご説明したいと思います。
1,不当条項の無効について
①概要について
消費者契約法は、消費者契約における不当な内容の契約条項について、無効としてその効力を否定するものとしております。
無効となる不当条項とは
❶事業者の損害賠償の責任を免除する条項等
【消費者契約法第8条】
❷消費者の解除権を放棄させる条項等
【消費者契約法第8条第2項】
❸事業者に対し後見開始の審判等による解除権を付与する条項
【消費者契約法第8条第3項】
❹諸費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等
【消費者契約法第9条】
➎消費者の利益を一方的に害する条項
【消費者契約法第10条】
②事業者の損害賠償の責任を免除する条項等
❶責任免責特約の効力について
債務不履行・不法行為による損害賠償の内容について、本来民法によれば契約当事者の間で、自由に取り決めすることが出来ます。
【民法第420条第1項】
これに対して『消費者契約法』では、消費者保護のため【4つの内容について無効】とされております。
①事業者の債務不履行により、消費者に生じた損害賠償する責任の全部を免除し、事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
【消費者契約法第8条第1項第1号】
②事業者の債務不履行(事業者・その代表者又はその使用者の故意又は重大な過失によるものに限定)により、消費者に生じた損害賠償の責任の一部を免除し、または事業者にその責任の限度を決定する権限を付与する条項
【消費者契約法第8条第1項第2号】
③消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた、事業者の不法行為により諸費者に生じた損害賠償する責任を全部免除し、又は事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
【消費者契約法第8条第1項第3号】
④消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた、事業者の不法行為(事業者・その代表者又は、その使用人の故意又は重大な過失によるものに限定)により、消費者に生じた損害賠償する責任の一部を免除し、事業者の限度を決定する権限を付与する。
【消費者契約法第8条第4項】
❷有償契約での契約不適合責任の特例について
❶責任免責特約の効力の、事業者の債務不履行について、消費者契約が有償契約である場合、引渡しされた目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない時、これにより消費者に生じた損害賠償する事業者の責任を免除し、事業者にその責任の有無、限度を決定する権限を付与するものは、次の①②の場合、無効ではなく、効力が認められます。
【消費者契約法第8条第2項】
①消費者契約において、引渡しされた目的物が種類・品質に関して契約の内容に適合しない時は、事業者が履行の追完をする責任または、不適合の程度に応じた代金、報酬の減額をする責任を負うこととされている場合。
②消費者と事業者の委託を受けたほかの事業者との間の契約、または事業者とほかの事業者との間の消費者のためにする契約で、消費者契約の締結に先立って、またはこれと同時に締結されたものにおいて、引渡しされた目的物が、種類・品質に関して契約内容に適合しないことにより、消費者に生じた損害賠償する責任の全部、一部を負い、履行の追完する責任を負うこととされている場合。
❸責任の一部免除特約が過失による場合に限定されることの明記について
事業者の債務不履行
(事業者、その代表者・使用人の故意または重過失によるものを除く)
または、消費者契約における事業者の債務履行に際してされた、事業者の不法行為により、消費者に生じた損害賠償する責任の一部を免除する消費者契約の条項であって、条項において事業者、その代表者・使用人の重過失を除く行為のみ適用されます。
通称、『サルベージ条項』は無効とされます。
【消費者契約法第8条第3項】
❹サルベージ条項について
この『サルベージ条項』を無効とする決まりは、消費者契約法の令和4年5月改正(令和5年6月1日施行)で追加されました。
例に挙げると、『法律上有効な限り、当社は一切の責任を負いません』という条項が『サルベージ条項』となります。
また、『当社は一切の責任を負いません』
『その他、当社の損害賠償責任を免責する規定は、消費者契約その他法令で定める範囲でのみ効力を有します』
※上記2つの文言が同一条項は、『サルベージ条項』として否定されます。
2,消費者の解除権を放棄させる条項等について
事業者の債務履行されない場合、消費者は解除権を行使することが出来ます。
【民法第541条】
民法上は、消費者が解除権を放棄したり、事業者に解除権の有無を決定する権限を与えたりすることを、取り決めすることも可能です。
しかし、事業者が契約で定められた債務を履行せず、事業者から引渡しされた目的物に瑕疵がある場合にも、消費者が解除をすることが出来ない場合
消費者は、契約に不当に拘束され続け、既に支払った代金の返還は出来ず、又は、未払い代金の支払い義務を免れず、消費者は不利益を被ることになります。
そこで、消費者契約法では、事業者の債務不履行により生じた、消費者の解除権を放棄させ、事業者にその解除権の有無を決定する権限を付与する消費者の条項は『無効』とされます。
【消費者契約法第8条第2項】
消費者の解除権を制限する条項
(例として、解除権の行使期間を限定する条項、解除が認められるための要件を加重する条項、解除する際の方法を限定する条項等)は、無効ではありません。
3,後見開始の審判等による解除権を付与する条項について
後見開始、保佐開始、補助開始の審判は、其々、本人を保護するための制度です。
これらの審判があった理由にして、解除権が付与されることは、制度の趣旨に合致しません。
そこで、事業者に対して、消費者が後見開始、保佐開始、補助開始の審判を受けたことのみを理由とする、解除権を付与する消費者契約の条項は、無効とされます。
【消費者契約法第8条第3項】
4,解約料を定める条項について
消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は、違約金を定める条項
(損害賠償と違約金を合わせて『解約料』と言います)
解約料を合算した額が、その条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じて、その消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い、事業主に生ずべき平均的な損害額を超える場合は、その超える部分は無効とされます。
【消費者契約法第9条第1項第1号】
平均的な損害額の主張立証に、必要な情報は事業者に偏在しており、消費者がこの額を主張立証することは容易では有りません。
そこで、消費者の立証責任の負担の軽減を図るため、事業者は、消費者に対して、消費者から説明を求められたときは、解約料の算定の根拠の概要を説明するようにしなければなりません。
【消費者契約法第9条第2項】
また、消費者が支払うべき金銭に関する遅延損害金について、年利14.6%を超える場合は、その率を超える部分は無効になります。
【消費者契約法第9条第1項第2号】
以上が『消費者契約法の不当条項』についてのご説明になります。
ご契約締結に際して、『消費者契約法』は必ず熟知しませんと、引渡し後のトラブルの場合、相当もめるケースもありますので、ご注意いただければと思いす。
次回のブログは同法を、さらに詳細にご説明したいと思います。
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