『消費者契約法』について①
『消費者』を守る法律として誕生しました!
『投資用不動産』は『消費者契約法』から外れます!
前回までのブログで、不動産の取引(契約)に関するご説明させて頂きました。
契約と言えば、必ず『消費者契約法』を熟知されることが重要です。
1,『消費者契約法』の目的と構造について
消費者と事業者との間には、情報の質及び量、並びに交渉力において大きな格差が有ります。
消費者契約法は、情報格差を踏まえて消費者を保護するためのルールとして定められました。
『消費者と事業者の契約と定義』し、事業者に対して消費者契約の締結・勧誘などに当たって、3つの方法による規制を課すことにより、消費者を保護する仕組みが構築されております。
①第一の方法は、契約締結・勧誘などにおける努力義務を課すことです。
事業者には、消費者契約の条項を定めるにあたり、解釈に疑義が生じない明確なもので、消費者にとって平易なものになるよう配慮しなければなりません。
消費者契約の内容について、必要な情報提供を行わなければならないなどの努力義務が課されております。
事業者の努力義務【消費者契約法第3条】
②第二の方法は、消費者に対して、不当勧誘がなされた場合における契約の取り消しを認めることです。
事業者が、消費者契約を勧誘する場面において、消費者を誤認、または困惑させた場合、消費者が消費者契約を取り消すことが認められます。
不当な勧誘【消費者契約法第4条】
③第三の方法は、不当な契約条項を無効とすることである。
契約内容が消費者の利益を一方的に害し、信義則に反する場合、契約条項が無効とされます。
消費者契約法は、平成12年5月に制定・公布され、平成13年4月1日に施行されております。
不当な契約条項【消費者契約法第8条、第9条、第10条】
2,消費者契約の意義について
消費者契約法では、消費者・事業者・消費者契約の用語が有ります。
消費者
個人(事業として又は、事業のために契約の当事者となる場合に於けるものは除く)
【消費者契約法第2条第1項】
事業者
法人その他の団体、事業として又は事業のために契約の当事者となる場合における個人
【消費者契約法第2条第2項】
消費者契約
(消費者と事業者との間で締結される契約)
【消費者契約法第2条第3項】
個人のうち事業を行うために契約をする者以外が消費者、その他の個人・団体が事業者、契約当事者の一方が消費者、他方が事業者の場合、『消費者契約』になります。
契約の両当事者が消費者、または、いずれも事業者の場合は『消費者契約』にはなりません。
個人が当事者となる売買契約・賃貸借について、消費者契約かどうかは、個人が不動産業者から自宅を購入したり、賃貸しする場合は、消費者と事業者の契約になりますので、売買・賃貸借の契約は『消費者契約』になります。
個人が売主として自宅を売却、買主も個人が自宅として使用する場合、消費者同士の契約になりますので、売買契約は『消費者契約』にはなりません。
個人が個人営業のために。不動産業者から店舗を賃借する場合にも、事業者と事業者の契約になるため、賃貸借契約は『消費者契約』にはなりません。
個人が買主として不動産業者から投資用不動産を購入する場合、事業者になるかどうかが問題になることが有ります。
一般的に、不動産に投資して賃料収入を得ることは事業になります。
ここは重要ですが、『個人であっても投資用不動産を購入する場合』には、原則として事業者となります。
不動産取引の回数や不動産の規模を勘案して、事業として又は事業のために行ったものではない事案も有ります。
初めての不動産取引であって、売買対象が賃料月額83,500円の居室の売買契約について、買主の個人が消費者とされる場合が有ります。
3,事業者の努力義務について
事業者には
①消費者契約の条項作成
消費者契約の条項を定めるにあたり、消費者の権利義務その他の消費者契約の内容が、その解釈について疑義が生じない明確なもので、かつ、消費者にとって平易なものになるよう配慮すること。
【消費者契約法第3条第1項第1号】
②消費者契約の勧誘
消費者契約の締結について勧誘をするのに際して、消費者の理解を深めるために、物品・権利・役務そのほかの消費者契約の目的となるものの性質に応じ、事業者が知ることが出来た個々の消費者の年齢・心身の状態・知識及び経験を総合的に考慮し、消費者の権利義務そのほかの消費者契約の内容について、必要な情報を提供すること。
【消費者契約法第3条第1項第2号】
③定形取引合意に該当する消費者契約の勧誘
定形取引合意【民法第548条の2第1項】に該当する消費者契約の締結について勧誘をするに際し、諸費者が定型約款の内容を容易に知りえる状態に置く措置を講じているときを除き、消費者が定型的約款を知る権利【定型約款の表示請求権・民法第548条の3第1項】を行使するために必要な情報を提供すること。
【消費者契約法第3条第1項第3号】
④消費者による消費者契約の解除
消費者が消費者契約を解除しようとする場合に、消費者の求めに応じて、消費者契約により定められた消費者が有する解除権の行使に関して必要な情報を提供すること。
【消費者契約法第3条第1項第4号】
⑤損害賠償の額の予定又は違約金の算定
損害賠償の額の予定、または違約金の算定根拠について、消費者から説明を求めらた時は、算定の根拠の概要を説明すること。
【消費者契約法第9条第2項】
以上が『消費者契約法』の基本的なご説明になります。
次回のブログは『不当勧誘』による契約の『取消し』に関する内容を考察したいと思います。
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