『借家契約』の法規制について!
『借家法』にも幾つか種別があります!
『借地借家法』もマイナンバーに連帯します!
不動産の学ぶ内容は、色々とあるもので特に基本の法令を忘れてしまうと、ご説明内容に疑義があり、同業者から不信感が強まります。
今回のブログは『借家契約』について考察したいと思います。
1,借家権の意義について
『借家権』とは、『建物の賃借権』のことですが、通常、『借地借家法の適用を受ける賃借権』のことになります。
建物の一部であってもアパートの1室のように『独立性のある場合は借地借家法』の適用が有ります。
間借りの場合は、その部屋が他の部分と区画されており、構造や規模から独立・排他的利用が可能であれば、借地借家法の適用があり、その部屋自体に独立性のない場合は借地借家法の適用は有りません。
2,借家権の存続期間について
❶存続期間の定めがある場合は?
借家では借地のような最短期間の定めはなく、最長期間の定めが有りません。
【借地借家法第29条第2項】
1年未満の期間を定めた場合は、『定期建物賃貸借契約』とする場合を除きます。
【借地借家法第38条第1項】
また、期間の定めのない契約
【借地借家法第29条第1項】
期間満了と同時に明渡を求めるには、期間満了前の1年から6ヶ月前までの間に、賃借人に対し予告しなければ更新の拒絶が出来ず、これをしなけれれば従前と同一条件で更新されることになります。
【借地借家法第26条】
賃貸人が『更新を拒絶』するには、『正当事由』が存在することが必要です。
【借地借家法第28条】
賃借人に不利な特約は無効となります。
【借地借家法第30条】
契約書の条項に『賃貸人の都合により、いつでも解約し、または更新を拒絶することが出来る』の項目を記載しても、その部分は効力が生じないことになります。
❷存続期間の定めがない場合は?
賃貸人は、いつも解約の申入れをすることが出来る。
【民法第617条】
しかし、そのためには『正当な事由』がなければなりません。
【民法第28条】
『解約の効果』は、その解約申入れから『6ヶ月』を経過したときに初めて生じます。
【民法第27条】
それに従い、賃借人は賃貸人の解約申入れが『正当の事由』によっても、6ヶ月は居住を継続することが出来ることになります。
また、6ヶ月を経過した場合でも、賃借人が立ち退かず、それに対して賃貸人が遅滞なく異議を述べない時は、6ヶ月前の解約申入れの効力が失なわれ、改めて解約申込をしなければなりません。
期間の定めがない場合、『賃借人』も、いつでも解約の申入れができ、『正当の事由』は不要です。
その解約の効果は、申入れから『3ヶ月』経過したときに生じます。
【民法第617条第1項】
3,借家権の対抗力について
借家権は、『建物賃借権の登記』があれば、勿論その建物を買い受けた者等の第三者に対抗できますが、借地借家法は登記がなくても『建物の引渡し』さえあれば、第三者に対抗でき、賃借人を保護しております。
【民法第31条】
借家権は対象の建物が滅失すれば消滅します。
4,借家契約の更新拒絶または解約申入れの要件
正当事由について
存続期間の定めのある借家契約について、賃貸人がその契約を更新拒絶する場合、または存続期間の定めのない借家契約について、解約の申し入れをする場合は、『正当事由』がなければなりません。
この有無の判断は、かなり困難であることで、個々のケースについて具体的に決定されなければならないので、従来から裁判上では、賃貸人(貸主)、賃借人(借主)双方の建物使用の必要度の比較し、賃貸借の解約をすることにより、生じる双方の利害損失等を比較して、社会公益的見地からも公平に判断したうえ、正当事由の存否が判断されることになります。
しかしながら、『新借地借家法』は、その判断基準が明確にしております。
❶考慮要素として
①建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情
②建物の賃貸借び関する従前の経過
③建物の利用状況及び建物の現況
④建物の賃貸人が建物の明渡条件として
または、建物の明渡と引き換えに賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合
※以上の4項目について【借地借家法第28条】
①建物の賃貸人及び賃借人が建物の使用を必要とする事情は、『基本要素』
④建物の賃貸人が建物の明渡条件として、または、建物の明渡と引き換えに賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合は、『立退料』と言います。
正当事由を具備せずに、賃貸人が更新拒絶等を行っても契約終了とはならず、賃貸借契約は、期間の定めのない契約となることを除き、従前と同一条件で更新されたものとして取り扱いされます。
※法定更新【借地借家法第26条】
5,定期建物賃貸借契約等について
❶定期建物賃貸借契約(定期借家契約)
①期間の定めのある建物の賃貸借をする場合において、『公正証書』等の書面によって契約を締結する場合に限り、契約の更新がないこととする旨を定めることが出来ます。
この場合、期間を1年未満とすることも可能であり、50年を超過する契約締結も可能とされております。
【借地借家法第38条第1項、第29条第1項、第2項】
但し、この契約を締結しようとする場合、建物の賃貸人は、予め建物の賃借人に対し、【契約の更新がなく、期間の満了によって賃貸借が終了】することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません。
事前説明【借地借家法第38条第3項】
その説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは無効となります。
【借地借家法第38条第5項】
②定期借家契約は、その内容を記録した電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識のできない方式で作られる記録であり、電子計算機による情報の処理の用に供されるもの)によって行うこともできます。
上記の条文は、『デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律』により改正されております。
【借地借家法第4条】
❷『デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律』
ここは意外と各分野・部門でも共用される内容ですので、詳細をご説明致します。
『デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律』は、デジタル社会の実現に向けた法整備を行うことで、特に個人情報の改正、行政・民間の押印・書面手続きの原則廃止、マイナンバーカードの活用促進などを目的としております。
この法律は、2021年5月19日に公布され、一部を除き2021年9月1日に施行されました。
主な内容と目的について
①個人情報保護法の統合と一元化
個人情報保護法、行政機関個人情報保護法、独立行政法人個人情報保護法の3つの法律を1本に統合し、地方公共団体の個人情報保護制度も全国的な共通ルールとし、個人情報委員会に所管を一本化しております。
②押印・書面手続きの原則禁止
行政や民間の各種手続きにおける押印や書面提出の義務を原則廃止し、電磁的方法(PDF)などで交付を可能としております。
③マイナバーカードの活用促進
マイナンバーカードの普及と活用を促進するため、各種国家資格に関する事務など、マイナンバーを利用した情報連携を進めることが想定されております。
④民間手続きのデジタル化の推進
デジタル社会形成基本法に基づき、借地借家法などの民間手続における電子化も推進されております。
この法律は、デジタル社会形成基本法と、デジタル庁設置法と合わせて『デジタル改革6法』の1つであり、行政や民間におけるデジタル化を強力に推進し、国民や民間企業の利便性向上を目的とされております。
借地借家法の中でも、『借家契約』はかなり重要です。
次回のブログにて、複合的な内容を考察したいと思います。
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