『借地権』の種別について!
借地権の『地代の増減』の相談は多いものです!
『借地権』は『地主の承諾』は重要です!
7月下旬、学校は夏休みに入り児童生徒は、公園等で遊んでると思いました。
が。。流石にこの熱波で表で遊ぶ子供たちは少ないですね。
北海道の帯広で気温が39度とニュースで報道されています
本当に今年は酷暑で、外出するのも命に関わるくらい厳しいものです。
当方のような不動産会社の業務は、この時期は暑さとの戦いとなります。
人生計画は、大海原で航海している船長・補助する船員と同じように、かじ取りが大変であると思います。
特に、ご自宅のご売却のお手伝いすることが多く、法令・税金等を日々勉強しないと、不動産に従事することは不可能なものです。
今回のブログは『借地権』について更に考察したいと思います。
1,『借地権』の譲渡・転貸について
『譲渡』とは、借地人が借地権を第三者に『売買・贈与』などで移転することで、『転貸』とは、借地人が自己と地主との借地契約がそのままで、借地を第三者に貸主として賃貸することです。
地上権については、『譲渡・転貸』を自由にできます。
賃借権の場合、地主の承諾なしに行うことは禁じられております。
❶地主の承諾がある場合
賃借権の譲渡・転貸について、地主(土地所有者)の承諾を得た場合、これを地主に対抗することが出来ます。
しかしながら、存続期間は従前の契約の残存期間のみとなります。
また、転貸の時も従前の契約の残存期間の範囲内の契約です。
借地人から転貸した者は、地主とは直接的な契約関係は生じませんが、地主は借地人・転貸人の何れにも地代の請求ができます。
【民法第613条】
令和2年4月1日施行の民法改正により、適法に転貸借を行った場合には、転貸人と賃借人が賃貸借契約を合意解除しても、転借人には対抗できません。
【但し、その解除の当時、賃貸人が賃借人の債務不履行による解除権を有していた場合は除かれます】
上記文面が明記されました。
【改正民法第613条第3項(判例の明文化)】
❷地主の承諾がない場合は⁇
賃借権の譲渡・転貸を地主に無断で行い、目的物件を使用させると、地主は借地契約を解除することが出来ます。
【民法第14条】
※地主の承諾に代わる裁判所の許可
賃借人がその建物を他人に譲渡する場合に、地主が土地の賃借権の譲渡・転貸を拒むときは、裁判所は賃借人の申立てにより、地主の承諾に代わる許可をすることが出来ます。
【民法第19条】
この場合、地主に優先的な買受権が認められております。
介入権【民法第19条第3項】
2,地代等の増減額請求について
地代又は土地の賃料が、土地に対する公租公課の増減、土地の価格の高騰・下落そのほかの経済事情の変動にて、または近傍類似の土地の地代・賃料に比較して不相応の時は、当事者は地代等の増減を請求することが出来ます。
【民法第11条】
当事者間において『一定期間増減しない』旨の特約があった場合には、経済事情の変動があっても増減請求は禁止されております。
地代等の増減額をめぐる紛争については、原則として訴訟を提起する前に、まずは調停申し立てをしなければなりません。
これを『調停前主義』と言いまして、一番多いご相談内容です。
当事者が、調停委員会の定める調停条項に定める調停条項に服する旨の合意を、調停申立後にした場合には、調停委員会の定める調停条項に拘束されます。
これらは、『民事調停法』に規定されております。
3,建物買取請求権について
❶借地人の建物買取請求権
借地権の存続期間が満了した後、更新されない場合は、借地権者は時価で建物そのほかの付属物を借地権設定者に買い取るべき請求できます。
【民法第13条】
ここは重要ですが『借地権』の買取請求できるわけでは有りません。
借地権の『債務不履行』により、賃貸借契約が解除された場合、建物買取請求権は発生しないと解釈され、この場合、借地人を保護する行為は不公平と判断されます。
❷建物取得者の建物買取請求権
第三者が賃借人から建物を譲りうけた場合、借地権設定者が賃借権の譲渡・転貸を承諾しない時も同様に買取請求ができます。
【民法第14条】
❸建物買取請求権を行使した場合の効果について⁇
建物買取請求権は『形成権』であり、相手方の承諾がなくても売買契約が成立するのと同じ結果になります。
買主の地位に立つ借地権設定者が建物の代金を支払うまで、借地人は建物とその敷地の引渡しを拒絶できます。
【建物について同時履行の抗弁権或いは、留置権】
【土地についてその権利の反射的効果に基づかれます】
引渡しを拒む間の地代・賃料相当額は、借地権設定者に支払う必要があります。
4,定期借地権について
❶一般定期借地権
①存続期間を『50年以上』として借地権を設定する場合には、更新契約に関する規定、建物の再築による存続期間の延長の規定の適用がない旨、買取請求権をしない旨の特約を公正証書等の書面に定めることが出来ます。
【民法第22条第1項】
②上記の特約は、その内容を記録した電磁的記録によって行うこともできる旨が『デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律』により改正されております。
【民法第22条第2項】
『電磁的記録』とは、『電子的方式、磁気的方式その他人の知覚処理の供されるもの』にあたり、『パソコン・契約電話のメール』が一般的ですが、当方が利用したりします。
❷事業用定期借地権等
事業の用に供する建物【居住用は対象外】の所有を目的とし、かつ存続期間を『30年以上50年未満』とする場合には、契約の更新、建物再築による存続期間の延長に関する規定、建物買取請求に関する規定の適用を特約にて排除することもできます。
存続期間を『10年以上30年未満』とする場合には、存続期間、更新等に関する規定等は、特約による排除がなくても適用されず、これらの借地権を『事業用定期借地権』等といいます。
【民法第23条第1項、第2項】
この存続期間は、法が制定された当初は、10年以上20年以下とされてましたが、その後の社会情勢の変化に伴う土地の利用形態の多様化に対応するため改正され、平成20年1月1日から設定されるものについて、上記の50年未満の契約期間のものが可能とされました。
上記の『事業用定期借地権等の設定契約』は、必ず『公正証書』によってしなければなりません。
【民法第23条第3項】
そのような借地権契約であることを当事者に明確に認識してもらうことと、公証人の目を通して適法性を確保しようとする趣旨によります。
❸建物譲渡特約付借地権について
借地権の設定にあたり、『設定後30年以上』を経過した日に借地上に建物を相当の対価で借地設定者に譲渡して、借地権を消滅させる旨を特約した借地権のことを言います。
【民法第24条第1項】
この特約によって借地権が消滅したときに、その借地権者或いは、建物の賃借人が建物の使用をしている場合には、それらの者が請求をすれば、その者と借地権設定者との間に期間の定めのない借家契約が締結されたものとみなされます。
法定借家権【民法第24条第2項】
5,自己借地権
自己借地権とは、借地権設定者が自己(及び第三者)を、借地権者として自ら設定する」借地権のことを言います。
民法上は、所有権と制限物権そのほかの用益権が同一人の場合、所有権以外の権利は消滅するという混同される法理が有ります。
土地所有者が自ら、その土地の借地権者になることは出来ないものと考えられます。
しかしながら、これを貫くと『借地権付きマンションを分譲』する場合、土地所有者はあえて形の上だけ誰かに借地権を設定し、その準共有持ち分を専有部分と共に譲渡する『遠回りな方法』を取らざるを得ないことになります。
そこで、新法は借地権を設定するにあたり、ほかの者と共に有した時に限り、『借地権設定者(土地所有者)が借地権を有することが出来る』とされます。
【借地借家法第15条第1項】
また、借地権が借地権設定者に帰した場合、他の者とともにその借地権を有する時には、混同が生ぜず借地権は消滅しないとされます。
【借地借家法第15条第2項】
6,一時使用目的の借地
借地の目的が『臨時設備の設置等、一時使用のためであることが明確な場合』
存続期間、更新、借地条件の変更等に関する多くの借地借家法等に関する、多くの借地借家法の規定が適用されません。
【借地借家法第25条】
『一時使用』に該当するかどうか、契約書の文言にとらわれず、諸般の事情を総合的、客観的に判断して決定されます。
7,借地借家法(新法)の適用関係について
平成4年8月1日から、新しい『借地借家法』が施行され、同日をもって従来の『借地法』『借家法』『建物ノ保護ニ関スル法律』は廃止されました。
しかしながら、新法の施行前から既に締結されている借地契約・借家契約(既存の契約)には、新法の定める存続期間や更新等に関する多くの規定が適用されません。
『なお従前の例による』ものとされ、旧法の借地借家法が適用されることになります。
【借地借家法附則第5条】以下参照
以上が『借地権』に関するご説明と、ともに質問の多い内容を考察させて頂きました。
借地権は、売買と賃貸の契約内容が混ぜ合わせしたような説明になりますが、記憶頂けると不安は少ないものと考えております。
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