『借地の契約』について!
『借地権』には決まりごとが多いものです!
『借地権』は基本をご理解することが重要です!
今年は、6月から続いている猛暑の影響で、挨拶回りしているだけで汗だくになるものです。
亀戸周辺は、借地権が多い地域なので、挨拶回りしていると必ず『借地権』のご相談が多く、お浚いするつもりで『借地権』の要点を考察してみたいと思います。
1,借地権の意義について
建物所有を目的とする他人の土地の利用権は、『地上権』と『土地の賃借権・使用借件』が有りますが、借地借家法で『借地権』というのは、『建物の所有を目的とする地上権』又は『土地の賃借権』になります。
【借地借家法第2条第1項】
『地上権』は、『物権』であり土地を直接に支配できる強い権能を持ちます。
地上権者は、地主の承諾を得ないで、第三者に地上権を譲渡したり、賃貸しすることが出来ます。
これに対して、『賃借権』は『債権』であるため、賃貸人の行為を通じて、土地を間接的に支配できるのいみで権能は弱いものです。
そこで、賃借権を強化し、両者の権能の差を少なく(賃借権の物権化)、賃借人を保護するため、『大正10年に借地法が制定』され、平成4年施行の法改正に引き継がれております。
建物所有以外を目的とする【露天の駐車場・資材置場・露店】等のための土地賃借権は、借地借家法の借地権ではありません。
このような土地賃貸借契約は、民法に基づいてすることになります。
(民法上の土地賃貸借)
2,借地権の存続期間について
①新借地借家法の存続期間
【定期借地権以外の普通借地権の場合】
❶当初の存続期間
借地権の存続期間は、堅固・非堅固の区別なく、一律30年となります。
【借地借家法第3条】
当事者が特約により、これより長い期間を定めた時は、その期間となります。
旧借地法の堅固・非堅固の区別を廃止したのは、建築技術の向上により木造とそれ以外のものを区別する合理的根拠がなくなり、非堅固・堅固の区別が争われる例も多いものです。
❷更新後の存続期間について
当初の存続期間が満了したのち借地契約が更新された場合、1回目の更新時、その存続期間は20年、2回目以降の更新からは10年となります。
【借地借家法第4条】
いずれの場合も、当事者がこれより長い期間を定めた時は、その期間となります。
更新後の期間が当初の期間より短くなるのは、契約が更新されたのちは当事者双方の事情の変化を考慮して、適切に権利調整を行える機会を多くするのが妥当です。
②旧借地法における存続期間について
新借地借家法の施行前(平成4年7月31日)までに、既に締結している借地契約上の借地権の存続期間は、旧法の適用になります。
❶存続期間の定めのある場合
借地上に建設する建物が、石造・レンガ造・土造・コンクリート造・ブロック造などの堅固な建物である場合は『30年』
そのほか、木造などである場合は『20年』となります。
これらより短い期間を定めた場合、期間の定めのない契約と見なされます。
【旧借地法第2条第2項】
これ以上の期間を定めるのは、自由とされております。
建物の朽廃(きゅうはい)の場合は⁇
朽廃とは、建物が古くなり自然に朽ちて使用不可の状況になることで、滅失とは異なります。
※朽廃の場合は、借地権は消滅しません。
【借地借家法第2条第1項に対して反対の解釈に該当】
❷存続期間の定めがない場合は⁇
法定期間は、堅固な建物は『60年』、そのほかの建物は『30年』となります。
【借地借家法第2条第1項】
堅固かどうかを契約で定めない時、非堅固建物所有の目的とみなされます。
【借地借家法第3条】
期間満了前の建物の朽廃の場合は、法定存続期間満了前に建物が朽廃した場合は、借地権は消滅します。
【借地借家法第2条第1項但書き】
3,借地権の対抗力について
借地権に対抗力があるというのは借地権の存ずる土地の所有権を買った者や、その土地の抵当権者等に対して、借地人が自分の借地権を主張できることになります。
借地権が対抗力を有する方法には『借地権の登記』『借地上の建物の登記』があります。
借地権が対抗できれば、借地関係はそのまま新しい土地所有者に承継され、土地の抵当権者に対しても自己の権利を主張でき、何も影響を受けないことになります。
①借地権の登記について
地上権、賃借権も登記されると、第三者への対抗力を持ちます。
地上権は『物権』ですので、『地主に登記協力義務』があり、地主がこれに応じなければ裁判所の確定判決で、登記の強制をすることが出来ます。
賃借権は『債権』ですので、特約がない限り『地主に登記協力義務』がなく、その登記を強制できません。
それに従い、一般に土地賃借権の登記は行われず、新地主に対抗することが出来なくなります。
民法の一般原則によれば、そのような結果となりますが、そこで借地人を保護する【借地借家法第10条】の規定があります。
②借地上の建物の登記について
借地人が借地上の『建物』の登記をしている時は、たとえ地上権又は借地権の登記が無くても、その『土地』の賃借権を第三者に対抗することが出来ます。
【借地借家法第10条第1項】
①の民法の不備について補う『登記請求権のない土地賃借人』を保護している『建物登記名義人が借地権者本人でない場合【借地権者の子供等】』には、対抗力のないというのが判例に多いものです。
③建物滅失の場合の対抗力の保持は⁇
②のように借地人を保護しても、借地上の建物が滅失すると、その建物の登記も無効となりますので、対抗力も失して滅失後にその土地を譲受した者のような第三者に対抗できないといった問題点が多いものでした。
そこで、新法は建物の滅失あっても、借地権者がその建物を特定するために、必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を、その土地上の見やすい場所に掲示すれば『滅失の日から2年』を経過するまでの間に、建物を再築し、かつ登記をする限り、その間は対抗力を有します。
【借地借家法第10条第2項】
④借地契約の更新・更新拒絶の要件についての『正当事由』
❶借地権の存続期間が満了する場合
当事者の合意により更新契約を締結できます。
しかし、更新の合意ができない場合でも『借地人を保護』するため、法律では規定を設けており、借地権の存続期間が満了するとき借地上に建物がある場合に限り、借地権者は契約更新の請求ができます。
この更新請求を地主が拒絶するためには、遅滞なく異議を述べて、『正当事由』がなければなりません。
借地権の存続期間が満了したのち、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある限り、これと同等になります。
【借地借家法第5条】
更新された場合、更新後の存続期間は、最初の更新の時は『20年』
2回目の以降の更新の時は、『10年』となります。
但し、『旧法借地権』の適用を受けたり、設定した場合の更新後の存続期間は、更新の時から堅固建物の場合『30年』
非堅固建物は『20年』となります。
【旧借地法第5条】
❷正当事由について
借地人の更新請求や使用継続に対する『借地権設定者』多くは土地所有者の異議は『正当事由』が無ければ、述べることはできないものです。
旧借地法は、正当事由の内容を『土地所有者が自ら土地を使用することを必要とす場合、そのほか正当事由』と規定されておりました。
『新法借地権』では幾つか明確にされております。
①借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情
②借地に関する従前の経過
③土地の利用状況
④借地権設定者が土地の明渡しの条件として、土地の明け渡しと引き換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出
上記の4項目が『正当事由の考慮要素』であるとしております。
【借地借家法第6条】
なお、『借地権設定者及び借地権者が土地の使用を必要とする事情』が、基本的な要素です。
『借地権設定者が土地の明渡しの条件として、土地の明け渡しと引き換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出』については、立退料の内容になります。
以上が『借地権』についての基本的なご説明になりますが、次回のブログで『譲渡・転貸』等について改めて考察したいと思います。
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