『売買契約』における紛争について❷
『不動産売却』は慎重に行う必要がございます!
『契約不適合責任』は『担保責任』が重要!
売買契約は、多かれ少なかれトラブルが御座います。
土地・建物・マンション・商業ビル等、種々多様な商品が対象となりますが、今回は『売買契約』に伴い『売主』に責任がかかる度合いの高い項目について、考察してみたいと思います。
1,売主の担保責任
❶契約不適合責任について
売買契約において、目的物が引渡しされたのに、引き渡された目的物に欠陥があり、契約に適合していない場合には
売主は買主に対して『担保責任』を負います。
買主側に4つの救済があり『①修補・追完』『②代金減額』『③損害賠償』『④契約解除』といった種別になります。
①追完請求
引渡しされた目的物が種類、品質、数量に関して契約の内容に適合しない時が有る時は、買主は売主に対し、目的物の修補、代替品の引渡し又は、不足分の引渡しによる履行の追完請求することが出来ます。
但し、売主は買主に不相当な負担を課するものではない時は、買主が請求した方法と異なる方法にて履行の追完をすることが出来ます。
【民法第562条第1項】
契約の不適合が買主の責めに帰すべき事由で有る時は、買主は同項の規定により履行の追完の請求することは出来ません。
【民法第562条第2項】
②代金減額請求
引渡しされた目的物が種類・品質又は数量に関して、契約の内容に適合しないものである場合、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告し、その期間内に履行の追完がないときは、買主はその不適合の程度に応じて代金の減額を請求することが出来ます。
【民法第563条第1項】
以下の場合、買主はその不適合の程度に応じて、代金の減額請求することが出来ます。
【民法第563条第2項】
❶履行の追完が不能であるとき
❷売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき
❸契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行しなければ契約をした目的を達成することが出来ない場合において、売主が履行の追完をしないで、その時期を経過したとき
❹前項の揚げる場合以外、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みが明らかなとき
※目的物の契約不適合が買主の責めに帰すべき事由によるもので有る時は、買主は代金の減額請求することはできません。
【民法第563条第3項】
③損害賠償請求
債務者が、その債務の本旨に従った履行をしないとき、または債務の履行が不能である時は、債権者は、これによって生じた損害を賠償請求することが出来ます。
【民法第415条第1項】
売買契約でも、引渡しのなされた目的物について契約の内容に適合しない場合には、損害賠償を請求することが出来ます。
【民法第564条】
しかしながら、売買契約や社会通念に照らして債務者(売主)に責めに帰すべき事由がないときは損害賠償請求はできません。
【民法第415条第1項但し書】
④契約解除
当事者の一方が、その債務を履行しない場合において、相手側が相当の期間を定めてその履行の催告をしたうえで【民法第541条・本文参照】
または、債務の全部の履行が不能であるときは催告することなく【民法第542条】
それぞれの契約解除することが出来るとされております。
売買契約でも、売主が債務の本旨に従った履行をしない等の状況があれば、買主は契約を解除することが出来ます。
【民法第564条】
但し、その債務の不履行が売買契約及び社会通念に照らして、軽微である時は解除することが出来ません。
【民法第541条但し書】
また、債務の不履行が債権者の責めに帰すべき事由によるもので有る時は、債権者は契約の解除をすることが出来ません
【民法第543条】
契約不適合について買主に責任が有る時には、買主から契約を解除することは認められません。
❷期間制限について
売主が種類・品質に関して契約の内容に適合しない目的物を、買主に引渡しした場合、買主が不適合を知り得た時から『1年以内』
※買主が不適合を知ってから1年間の期間を『通知期間』といい、その旨を売主に『通知』しないときは、買主はその不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額請求、損害賠償の請求、契約の解除することが出来なくなります。
【民法第566条本文参照】
通知期間に通知をすれば、権利が保存されるのであり、通知期間内に請求することまでは求められません。
通知期間の起算点は、買主が契約不適合を知った時です。
但し、売主が引渡しの時にその不適合を知り、または重過失によって知らなかったときは、買主が通知期間内に通知しなかったとしても、買主の請求につき期間制限を受けられません。
【民法第566条但し書】
買主が通知期間内に通知をすれば、契約不適合責任を追及する権利は保存されますが、債権の消滅時効に関する一般原則が適用されなくなるいものではありません。
通知期間内に通知をしても、権利を行使できることを知り得た時から5年
権利を行使できる時から10年という消滅時効の規定は適用されます。
【民法第166条第1項】
また、期間制限が適用されるのは、物の種類と品質に関する契約不適合です。
権利の契約不適合と、数量の契約不適合については、期間制限は適用外になります。
❸担保責任を負わない旨の特約
売主が担保責任を負わない旨の特約をした場合、民法上は有効とされております。
但し、その場合でも売主は次の項目については免責されません。
【民法第572条】
①売主が知っていながら買主に告げない事実
②売主が自ら第三者のために設定し、または譲渡した権利
以上が、『売主の担保責任』についてのご説明となります。
次回は、『特別法』『契約の解除』について考察したいと思います。
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