『物件状況確認書』って?
『不動産』の賃貸し、売却は意外と神経を使います
『報告書』の記載はかなり重責です!
桜が開花するこの季節は、人出が多くなるのですが、今年は何となく肌寒く感じるものです。
不動産の仕事をしておりますと、基本的に物件を確認して正確な情報を伝えるのが最重要課題になります。
今回のブログでは『物件状況確認書』について考察したいと思います。
土地・建物について、所有者(売主)から第三者(買主)に対しての書面になります。
1,『物件状況確認書』とは?
引渡しされる物件が、種類・品質等に関し契約の内容に適合しない場合、特約がない限り、所有者(売主)は、『契約不適合責任』を負うことになります。
特に、売主が欠陥や不具合等を知っていて、買主に告げない場合、特約の有無に関わらず売主は責任を負うことになりますので、更に深刻なトラブルになります。
国土交通省では、宅地又は建物の過去の履歴や性状(欠陥・不具合)など、売主・所有者しか分からない事項について、売主から告知書を提出することにより、将来の紛争防止に役立ち、何れせよ望ましい指導になります。
意外と難しいのですが『物件状況確認書』を正確に記入することが重要です。
一般的に『物件状況確認書』は25項目あり、その状況を隈なく記載する必要があります。
2,『項目』とその『状況』について
①雨漏り
天井からの事案だけでなく、外壁・サッシ取付部分等からの吹込みや、シミが有る場合も記入。
②白蟻の被害
売買対象の建物、敷地内の物置・建物周辺の植木も含まれます。
③建物の不具合
建物全体の傾き、部分的な傾き、木部の腐食(浴室・洗面所・台所等の水回り)
錆・・ベランダ等の鉄製部分
建築部材・・ホルムアルデヒド等、その他に不具合の有無について
④給排水管施設の故障や漏水
配管等の割れ、水漏れ、赤さび水、濁り、詰まり等
給排水関係・・敷地内配管、排水溝、雨桶等の不具合について
⑤増改築・修繕・リフォーム・用途変更の履歴及び資料
増改築・修繕・リフォーム・用途変更を実施しているか否か。
実施している場合は、実施個所及び保存している資料を参考に記載
特に壁・柱の撤去・移動等の増改築で間取りを変更を行った場合、『構造体力』に影響を及ぼす可能性がある場合、特に留意する必要が有ります。
⑥火災(ボヤ等)
火災被害の面積・程度に関わらず、小火(ぼや)等、台所で天ぷら油の引火による小火も含まれます。
隣地等からの延焼等で被害を受けたことが有る場合でも、報告義務が有ります。
⑦石綿使用調査結果の記録
石綿(アスベスト)を使用しているかどうかの調査結果の有無
その内容として、調査日・調査の実施者、調査の範囲、石綿の使用の有無
その他の石綿に関する情報があれば、『建物の備考欄』にて記載し説明
⑧建物状況調査
建物状況調査(インスペクション)を実施しているか否か。
実施している場合、保存されている資料を提示して説明
⑨耐震診断及び地震に対する安全性に関する資料
※耐震診断の結果があるか否か
❶地方税法・租税特別措置法に定める『耐震基準適合証明書』
❷住宅品確法に定める『住宅性能評価書』
❸指定確認検査機関、建築士、登録住宅性能評価機関、地方公共団体が作成した耐震診断結果その他、耐震診断及び地震に対する安全性に関する資料の提出等
⑩住宅性能評価
新築又は、既存住宅の住宅性能評価を受けているか否か
受けている場合、保存されている資料があれば提出
⑪建物新築時の資料及び、分譲業者名
新築時の『建築確認証・検査済証・設計図書』の有無
新築時に関わった建設業者
不動産取得時に関わった不動産流通業者の記入
⑫境界について
隣地との境界が確認できるか否か
確認できない場合は、その個所について記載しなければなりません。
境界に関する取り決め書の有無や、隣地との共有の塀・フェンスの有無、管理方法等
境界について引継ぎ事項がある場合も記入
⑬越境について
屋根・ひさし、塀、フェンス、擁壁、樹木等の隣地への越境
或いは、隣地からの越境、道路への越境がある場合に記入する
塀、フェンス、擁壁、樹木について、地中部分での越境があれば記入
公道以外の第三者所有地(私道含む)経由で、『給排水管、ガス管等』を対象物件に引き込みしている場合や、対象物件の敷地に第三者の配管が通過している場合も記入
⑭擁壁について
隣地との境界付近の擁壁について『所有者』が誰であるのか?
その擁壁の取決め、紛争等の有無について、維持管理についてが重要
擁壁の種別によりますが、亀裂・劣化状態についての説明が必要です。
⑮地盤が沈下・軟弱について
地盤が弱い場合(当該の土地が以前『水田・池・沼等』であった等)
建物の建築にあたり、通常よりも強固な基礎が必要の場合
売却物件の地盤が現実に沈下している場合、その場所と状況説明が必要です。
⑯土壌汚染に関して
土壌汚染調査等の状況、その存否・可能性の有無
過去の事例・所有若しくは工場等の稼働について
その周辺の土地の過去及び現在の利用状況について
⑰地中埋設物について
旧建物の基礎や建築廃材(ガラ等)及び、不使用の浄化槽・井戸等の残存物
これ等について不要になる際は、撤去費用についても要調査
⑱騒音・振動・臭気について
一般的な観点から判断されます。
(道路・電車・飛行機・工場・店舗等)による影響について
⑲電波障害について
所在によりテレビ・携帯電話等の電波に障害がでる場合が有ります。
⑳浸水等の被害について
浸水の事実について、『床下・床上』の被害状況の告知
周辺地域が浸水の多い地域であれば、その事実(ハザードマップ)等にて説明
㉑近隣の建築計画について
売買物件に影響を及ぼすと思われる『建築計画』が該当します。
※大規模な敷地に面している場合は、何年も工事日数を要することが有ります。
㉒売買に影響のでる周辺施設について
一般的な観点で言えば
『ゴミ集積所・ゴミ処理場・産業廃棄施設』
『暴力団事務所・火葬場・墓地等』
㉓事件・事故について
売買物件で『自殺・殺傷事件』
特殊清掃が行われた『自然死』や近隣に知れ渡る『事件・事故』など『心理的瑕疵』についての告知も重要とされます。
㉔近隣との申し合わせ事項について
近隣地域(自治会・町会等)での協定・取決め
取決めは特に(ごみ集積所等)で自治会・町会での引継ぎ事項について記載することは重要です。
㉕それ以外売主からの承継する事項について
①~㉔項目の補足説明や、近隣とのトラブル等で売主から買主に説明すべき事項の承継
以上の項目は『物件状況確認書』にて記載する内容です。
但し、当方では契約締結前に『重要事項説明』にて理解していただけるよう重ねて説明しております。
それだけ『物件状況確認』は重要であり、売主・買主双方納得されないと契約自体があやふやになります。
もっと掘り下げますと『設備』に関して『付帯設備表』も作成してご説明することも重要事項になります。
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