区分所有マンションの建替えは?
義務違反は追及されるので、内容を十分ご理解頂くことが重要です
建替えには多数決・議決権が重要になります!
11月も下旬に入ると、何時もの時間感覚で行動すると、日が落ちるのも早いものです。
特に自転車で行動していると、無灯火になりますので早めの点灯を心がけないと事故の原因になりますので、細心の注意が必要です。
前回のブログ『区分所有物件』について補足説明したいと思います。
地方に行くと『区分所有物件』は少なく、逆に『市街化調整区域や未線引区域』が多いものです。
1,復旧及び建替え等の決議について
①復旧決議とは?
建物の一部が滅失した時は、集会において、各区分所有者及び議決権の各3/4以上の多数決で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第61条第5項】
また、復旧決議があった場合、復旧決議に賛成しなかった区分所有者が、有する自己の専有部分等の買取請求権の行使の相手側を、決議賛成者の全員の合意で指定することが出来ます。
※決議賛成者の全員の合意で指定(買取指定者制度)
【建物の区分所有等に関する法律第61条第8項】
②建替え決議とは?
集会においては、区分所有者及び議決権の4/5以上の多数で、建物を取り壊し、且つ、当該建物の敷地若しくは、その一部の土地または当該建物の敷地全部、若しくは一部を含む土地に新たに建物を建築する旨の決議『建替え決議』を、することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第62条第1項】
建替え決議を行う集会の通知を発し、且つ、建替えの要否を検討するために必要な事項も通知します。
また、当該集会の会日の少なくても1ヵ月前までに、当該招集の際に通知すべき事項に関する説明会を開催しなければなりません。
【建物の区分所有等に関する法律第62条第4項、第5項、第6項】
③建替え不参加者に対する売渡し請求について
建替え決議があった時は、集会の招集者は、遅滞なく建替え決議に賛成しなかった区分所有者(承継人含む)に対し、建替えに参加するか否かを回答すべき旨を書面で催告しなければならず、催告を受けた区分所有者は、催告を受けた日から2カ月以内に回答しなければなりません。
もし2カ月以内に回答しなければ、建替えに参加しない旨を回答したとみなされます。
【建物の区分所有等に関する法律第63条第1項、第2項、第3項、第4項】
この期間が経過した時は、建替え決議の賛成者、上記の建替え参加回答者、または、これらの全員の合意で指定された買受指定者は、この期間満了の日から2カ月以内に、建替えに参加しない旨を回答した区分所有者(継承者含む)に対し、区分所有権と敷地利用権を時価で売り渡すべきことを請求することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第63条第5項】
建替え決議の賛成者、建替え参加回答者及び、区分所有権、敷地利用権を買い受けた各買受指定者(承継人含む)は、建替え決議の内容により、建替えを行う旨の合意をしたものとみなされます。
【建物の区分所有等に関する法律第64条】
④団地内の建物の建替え承認決議について
『一団地内にある数棟の建物』の全部、または一部が専有部分のある建物であり、かつ、その団地内の特定の建物の所有する土地が、当該団地内建物の団地建物所有者の共有に属する場合、団地管理組合等の集会において、議決権の3/4以上の多数決による建替えの承認の決議を得た時は、当該建物を取り壊し、当該土地または、これと一体化し管理・使用する団地内の土地に、新たに建物を建築することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第69条】
⑤団地内の建物の一括建替え決議制度について
団地内建物の全部が専有面積のある建物であり、かつ、当該団地内建物の敷地(権利も含む)が、当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合において、当該団地内建物について、規約が定められている時は、団地管理組合等の集会において区分所有者及び、議決権の4/5以上の多数決で、当該団地内建物につき一括建替え決議をすることが出来ます。
但し、各団地内建物ごと(各棟ごと)に、其々その区分所有者及び議決権の2/3以上を占める者が一括建替え決議に賛成した場合でなければなりません。
【建物の区分所有等に関する法律第70条】
⑥マンション敷地売却の決議制度について
❶マンションの建替え等の円滑化に関する法律(改正円滑化法)が平成26年12月24日に施行され、従来であれば共有物の処分をマンション敷地利用権の共有者の全員の一致でなければできなかったのですが、マンション及びその敷地(または借地権)の売却が出来るようになりました。
耐震性が不足している為に、特定行政庁により要除去認定【改正円滑化法第102条】を受けたマンションにつき、区分所有者、議決権及び敷地利用権の持ち分価格の各4/5以上の多数決で、要除去マンション及びその敷地(ほかに借地権等)を売却する旨の決議をすることが出来ることになりました。
【改正円滑化法第108条】
また、新たに建築されるマンションについては、一定の要件を備え、かつ、市街化環境の整備改善に資すると認められた場合、容積率の緩和措置を受けられます。
【改正円滑化法第105条第1項】
土地・建物の更なる高度利用が期待できるものです。
❷令和2年6月24日に施行された『建替え円滑法の改正』により、除去の必要性に係る認定の対処の拡充等がなされました。
※除去の必要性に係る認定対象に、従来の耐震性の不足のものに加え、令和3年12月20日に施行された事項が有ります。
※外壁の剥離等により危害を生ずる恐れのあるマンション等
※バリアフリー性能が確保されていないマンション等
※令和4年4月1日に、団地における敷地分割制度が創設されております。
要除却認定を受けた老朽化マンションを含む団地において、敷地共有者の4/5以上の同意によりマンション敷地の分割が可能です。
2,区分所有者・占有者の権利義務
①区分所有者の権利と義務は?
❶区分所有者は、『専有部分を自由に使用』でき、『共用部分をその用法に従って使用』できます。
【建物の区分所有等に関する法律第13条】
❷区分所有者は、建物の保存に有害な行為、その他建物の管理または使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
【建物の区分所有等に関する法律第6条第1項】
❸区分所有者は、共用部分・敷地・附属施設につき、他の区分所有者に対して有する債権、又は規約や集会の決議に基づき他の所有者に対して有する債権について、債務者の区分所有権(共用部分・敷地利用権含む)及び、建物の備え付けた動産の上に『先取特権』を有する。
【建物の区分所有等に関する法律第7条】
※先取特権とは、法律で定められた特定の債権を持つ人が、債務者の財産から他の債権者よりも優先的に弁済(返済)を受ける権利のことを言います。
❹前項❸の債権は、債務者である区分所有者の特定承継人に対しても、請求することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第8条】
②賃借人などの占有者の権利と義務について
❶占有者は、集会の会議の目的である事項について、利害関係のある場合には、集会に出席して意見を述べることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第44条第1項】
但し、意見陳述権があるだけで、議決権は有りません。
❷占有者も区分所有者と同様、建物の保存に有害な行為、その他建物の管理・使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
【建物の区分所有等に関する法律第6条第3項】
❸占有者は、建物・敷地・附属施設の使用方法につき、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負います。
【建物の区分所有等に関する法律第46条第2項】
3,義務違反者に対する各種の措置について
①共同利益に反する行為の停止等の請求
区分所有者が、建物の保存に有害な行為、その他建物の管理や使用に関して共同の利益に反する行為をし、又は、その行為をする恐れがある場合には、他の区分所有者の全員又は、管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止、行為の結果の除去、行為を予防する為に必要な措置等を請求出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第57条第1項】
この請求の為の『訴えを提起』するには、区分所有者及び議決権の各過半数による『集会の決議』によらなければならない。
【建物の区分所有等に関する法律第2条】
②専有部分の使用禁止の請求
上記項目の行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、上記項目の請求等によっては、その障害を除去して共用部分の利用の確保、その他の共同生活の維持を図ることが困難な場合、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の議決に基づき訴えをもって、相当期間、その区分所有者による専有部分の使用の禁止を請求することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第58条第1項】
上記の決議は、区分所有者及び議決権の3/4以上の多数が必要になります。
【建物の区分所有等に関する法律第58条第2項】
③区分所有権等の競売の請求
共同利益に反する行為による、区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して、共用部分の利用の確保その他の、区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難である時は、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもって、その違反者の区分所有権及び、敷地利用権の競売を請求することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第59条第1項】
上記の決議も、区分所有者及び議決権の各3/4の多数が必要になります。
【建物の区分所有等に関する法律第59条第2項】
④占有者に対する引渡請求について
専有部分の占有者による共同生活上の障害が著しく、他の方法によってはその障害を除去して、共用部分の利用の確保その他の区分所有者の、共同生活の維持を図ることが困難な場合、区分所有者全員又は、管理組合法人は、集会の決議に基づき訴えをもって、その占有者が占有する根拠となっている契約の解除、及びその専有部分の引渡しを請求することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第60条第1項】
上記の決議も、区分所有者及び議決権の3/4以上の多数が必要になります。
【建物の区分所有等に関する法律第60条第2項】
以上が『区分所有マンション』の建替えに関する事項と、それに付帯する条項についてのご説明になります。
よくマンションをご購入する際は、必ず建替えに関したご質問を頂きまして、時期や費用負担に関した回答をする際に、今回のご説明をする必要が有ります。
詳細については、都度調査の上回答させて頂きます。
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