建物の『区分所有』って?
『区分所有権法』は実務・生活する上で覚えておくのが一番です
『建物区分所有法』って法の縛りが多いものです!
11月に入り、気温もそうなんですが日照時間が短くなりました。
当方が事務所を設置している『森下エステート亀戸店』は、住宅街と飲食店街が混在しており、週末の夕刻になると賑やかになります。
飲食店が賑やかになる時間帯は、日没後から深夜になるので、居住されている方々や、子供さんが寝る時間帯は本当に大変であると思います。
今回のブログは、建物の『区分所有』について考察したいと思います。
1,区分所有権・専有部分・共有部分の意義について
①区分所有権・専有部分?
都心に数多く建設されたマンションのように、一棟の建物において構造上、区分された数個の部分で、独立して住居、店舗、事務所その他の用途に供される場合、その建物部分を『専有部分』と言います。
この部分を対象とする所有権を『区分所有権』と言います。
【建物の区分所有等に関する法律第2条第1項】
②共用部分とは?
区分所有建物のうち、専有部分以外の建物部分を『共用部分』といいます。
『共用部分』には、共用部分の玄関・階段・廊下・昇降機(エレベーター)
目視できない部分の配管・配線・エレベーターの機械等、その建物の付属物であるを『法定共用部分』と言います。
管理人室・集会所のように、本来専有部分になりえる部分、付属建物を規約で共用部分とした『規約共用部分』の2つが有ります。
『規約共用部分』は、その旨の登記をしないと、第三者に対抗できないものです。
【建物の区分所有等に関する法律第4条第2項】
③共用部分に関する法律関係について
❶共用部分は、規約で別段の定めをしない限り、区分所有者の全員または、一部の共有になります。
【建物の区分所有等に関する法律第11条】
❷共用部分は、規約で一部の区分所有者または、管理者の所有とすることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第11条第2項、第27条第1項】
❸共用部分に対する各共有者の『共有部分』は、規約で別段の定めをしない限り、各共有者が有する『専有部分の床面積の割合』によって決められます。
【建物の区分所有等に関する法律第14条第1項】
❹共用部分の共有部分は、法律の別段の定めがあるときを除いて、専有部分と分離して処分することが出来ません。
【建物の区分所有等に関する法律第15条第2項】
分離処分を許す規約の定めをしても無効となります。
また、区分所有権が処分されれば、その区分所有者の共有持ち分もそれに従います。
【建物の区分所有等に関する法律第15条第1項】
❺共有分の管理に関する事項は、規約で別段の定めをしたときを除いて、集会で区分所有者及び、議決権の各過半数により決められます。
【建物の区分所有等に関する法律第18条第1項、第2項、第39条第1項】
但し、共用部分の保存のために、必要な行為は各共有者が単独ですることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第18条第1項但し書き】
❻共用部分の変更は、原則として区分所有者及び、議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議で決定されます。
【建物の区分所有等に関する法律第17条第1項】
しかしながら、共用部分の変更でも、その形状又は効用の著しい変更を伴わないものは、区分所有者及び議決権の過半数で決定できます。
【建物の区分所有等に関する法律第17条第1項、第39条第1項】
➐本項❺共用部分の管理、本項❻共用部分の変更の場合で、ある区分所有者の使用に特別の影響を及ぼす時は、その区分所有者の承諾を得る必要が有ります。
【建物の区分所有等に関する法律第17条第2項、第18条第3項】
❽各共有者は、原則として持分に応じて共用部分の負担に任じ、その部分から生ずる利益を収取します。
【建物の区分所有等に関する法律第19条】
❾区分所有建物の設置又は、保存に瑕疵(その物が本来備えているべき性能や設備を欠いている)ことが有ることにより、他人に損害を生じた時は、その瑕疵は共用部分の設置又は、保存にあるものとされます。
その結果、その瑕疵が特定の専有部分の設置又は、保存にあることが証明されない限り、区分所有者全員が、賠償責任を負うことになります。
④建物の設置または保存の瑕疵に関する推定
第9条
建物の設置又は、保存に瑕疵があることにより、他人に損害を生じた時は、その瑕疵は共用部分の設置又は、保存にあるものと推測する。
2,敷地に対する権利とその法律関係について
①敷地利用権
区分所有建物が存在している『敷地』に対して、区分所有者が土地所有者の共有持分か、地上権、賃借権の準共有持分を持っているのが普通です。
このような『専有部分を所有部分を、所有するための建物の敷地に関する権利』を、『敷地利用権』と言います。
②専有部分との分離処分の原則的禁止について
敷地利用権が共有、地上権または賃借権の準共有である場合、区分所有者は原則として、その専有部分と敷地利用権を分離して処分することが出来ません。
【建物の区分所有等に関する法律第22条】
もっとも、規約で分離処分を許す旨を定めることは出来ます。
原則通り分離処分できない場合、それに反してなされた処分は無効ですが、そのことを知らなかった相手側に対しては、その無効を主張することは出来ません。
【建物の区分所有等に関する法律第23条】
但し、その処分が分離処分の禁止された専有部分及び、敷地利用権であることを登記した後にされたもので有る時は無効を所長することが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第23条但し書き】
【不動産登記法第44条第1項第9号、第46条参照】
3,管理組合・管理組合法人・管理者
①管理組合
区分所有物並びに、その敷地・付属施設の管理を行うための『区分所有者の団体』を『管理組合』とよび、集会を開催したり、規約(管理規約)を定めて管理者(管理人)を置くことが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第3条】
②管理組合法人
管理組合は、区分所有者及び議決権の3/4以上の多数による集会の決議で、法人となることを定めることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第47条第1項】
これを『管理組合法人』といいます。
【建物の区分所有等に関する法律第47条第2項】
理事と監事を置くことが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第49条、第50条】
③管理者
区分所有者は、原則として集会の決議で管理者を選任できます。
【建物の区分所有等に関する法律第25条】
管理者は、共用部分・附属施設・敷地等を保存し、集会の決議を実行し、規約で定めた権利を有し義務を負います。
【建物の区分所有等に関する法律第26条第1項】
管理者及び管理組合法人は、損害保険契約に基づく保険金額並びに共用部分等に生じた損害賠償金、及び不当利得による返還金の請求や受領について代理するとされております。
また、その請求及び受領に関し、区分所有者のために原告または被告になることも有ります。
【建物の区分所有等に関する法律第26条第2項、第4項】
【建物の区分所有等に関する法律第47条第6項、第8項】
4,規約と集会
①規約
❶建物・敷地・附属施設の管理や、使用に関する所有者相互間の事柄を規約で定めることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第30条第1項】
一部共用部分(一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが、明らかな共用部分)に関する事項で、区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることが出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第30条第2項】
規約は、各専有部分、共用部分、建物の敷地、附属施設につき、それらの形状、面積、位置関係、使用目的、利用状況、各区分所有者が支払った対価、その他の事情を総合的に考慮して、各区分所有者の利害の衡平が図るよう定める必要が有ります。
【建物の区分所有等に関する法律第30条第3項】
また、規約は書面または、電磁的記録により作成しなければなりません。
【建物の区分所有等に関する法律第30条第5項】
❷規約の設定・変更・廃止は、集会で区分所有者の議決権3/4以上の多数決にて決定します。
【建物の区分所有等に関する法律第31条】
❸マンションの分譲業者のように、最初に建物の全部を所有する者は単独で規約を設定できますが、『公正証書』により定めなければなりません。
【建物の区分所有等に関する法律第32条】
❹規約の効力は、区分所有者全員に及びますが、区分所有者の特定承継人(区分所有者から区分所有権を譲受された者など)に対しても効力を生じます。
【建物の区分所有等に関する法律第46条第1項】
❺規約は管理者が保管し、保管者は利害関係人から請求があった時は、正当な事由がある場合を除いてその閲覧を拒むことは出来ません。
【建物の区分所有等に関する法律第33条】
②集会
❶集会は管理者が招集しますが、少なくても毎年1回集会を招集しなければなりません。
【建物の区分所有等に関する法律第34条第1項、第2項】
区分所有者の1/5以上で議決権の1/5以上を有する者は、管理者に対し集会の招集を請求出来ます。
【建物の区分所有等に関する法律第34条第3項】
❷各区分所有者の議決権は、規約に別段の定めがない限り、各区分所有者の専有部分の床面積の割合によります。
【建物の区分所有等に関する法律第38条、第14条】
❸集会の決議は、法律または規約別段の定めがない限り、各区分所有者及び議決権の各過半数で決められます。
【建物の区分所有等に関する法律第39条】
❹集会の議決に基づき、議長は書面または電磁的記録により議事録を作成し、管理者が保管し、利害関係者の請求があった時は、正当な事由がない限り、その閲覧を拒むことは出来ません。
【建物の区分所有等に関する法律第33条、第42条】
❺集会の決議は、規約と同じように区分所有者の他『区分所有者の特定承継人』に対しての効力を生じます。
【建物の区分所有等に関する法律第46条第1項】
以上が規約・集会に関するご説明になります。
当方も『区分所有』の物件に長期間生活しておりますが、細かい内容は忘れてしまいます。
生活するには、必ず【建物の区分所有等に関する法律】を思い出せるよう、保存しております。
次回のブログは引き続き『区分所有物件』の規約を考察したいと思います。
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