標準媒介契約の約款について②
レインズ(指定流通機構)は不動産情報の発信源!
宅地建物取引業者の義務は?
9月に入り、幾らか涼しくなり始めて、そろそろ猛暑とのお付き合いも猛暑日から真夏日、夏日と成って頂きたいものです。
地球規模で温暖化の影響であるのか、当方も調べてみました。
この暑さの原因は『ラニーニャ現象』のようですが、赤道の中部から東部の場所の海水温度が低くなり、この影響でインドネシア近海の海水温が高くなり、活発な積乱雲が発生するとのことです。
その結果として、日本列島が高温多湿になり、今年のような猛暑になるとのことです。
群馬県の、伊勢崎市・桐生市に友人が生活しておりますが、マスコミ関係者が多く見受けられたとの連絡も有りました。
ニュース記事になるとは言えど、日本で一番暑い時期の取材等は地獄であると思います。
今回のブログは、前回の続き『標準媒介契約の約款』について再考したいと思います。
専任媒介契約と、一般媒介契約の違いについてですが、専任媒介契約から考察します。
1,標準専任媒介契約約款について
当社は、ご売却の際この『専任媒介契約』を締結することが多いものですが、特徴的な事項についてご説明します。
①宅地建物取引業者の義務について
【約款第4条第1項】
専任媒介契約を締結した依頼者は、他の不動産業者への依頼が禁止され、業者が負うべき義務は、一般媒介契約の場合と比較すると重くなります。
❶契約の成立に向けての積極的義務
※専属専任媒介契約約款と同じ義務が有ります。
❷業務処理状況の報告義務
不動産業者の処理状況について、2週間に1回以上の範囲内で、専任媒介契約書に記載する方法にて報告しなければなりません。
※報告方法は、文書若しくは電子メールですが、現代はSNS等にてご指定頂くことも多くなりました。
❸指定流通機構への登録義務
不動産業者は、広く相手方を探索するため、目的物件を指定流通機構に媒介契約の翌日から7日以内の期間内に登録し、契約の成立に向けて積極的に努力しなければなりません。
❹登録証明書の交付義務
専属専任媒介契約約款と同じ義務が有ります。
②直接取引について
【約款第11条】
この契約の有効期限又は、有効期限の満了後2年以内に、依頼者が依頼を受けた業者を排除して、業者から紹介を受けた相手側と直接取引をした場合、業者は依頼者に対して、業者が取引の成立に寄与した割合に応じた相当額の報酬を請求することが出来ます。
ここは重要な項目で、仲介手数料の支払い額が2倍になることです。
③違約金の請求
【約款第12条】
依頼者がほかの業者又は、代理によって取引した時の措置は、書面に記載すべき事項とされるもので、本条にこれを定めております。
④自己発見取引について
【約款第13条】
依頼者は、この契約の有効期間内において、自らが発見した相手側と取引することが出来ます。
但し、この場合には業者に対して、その旨を通知しなければなりません。
⑤費用償還の請求について
【約款第14条】
この契約の有効期間内に、依頼者が発見した相手側と取引【自己発見取引】したときに、又は、業者の手落ち等で『専任媒介契約を解除』された時には、業者は媒介契約の履行のために要した費用の償還請求が出来ます。
2,標準一般媒介契約約款について
特徴的な事項のみのご説明になります。
①重ねて依頼する宅地建物取引業者の明示について
【約款第4条】
標準一般媒介契約約款では、『明示型』の一般媒介契約を原則としておりますが、『非明示型』の契約を締結する場合には、その旨の『特約』を結ぶ必要が有ります。
依頼者は、媒介契約締結時に、既に重ねて依頼している他業者を一般媒介契約書に記載し、契約締結後に更に、他業者と重ねて依頼する場合、その旨を既に依頼している業者に通知しなければなりません。
②『非明示型の契約を締結』する場合
『特約』にするにあたり、標準一般媒介契約中、【特約事項】の欄に『本契約では、約款第4条及び第13条は適用外、依頼者が乙以外の宅地建物取引業者に重ねて依頼する場合でも、その宅地建物取引業者を明示する義務を負わない』と記載します。
③費用償却の請求について
【約款第14条】
依頼者が、①重ねて依頼する宅地建物取引業者の明示についてで述べた明示義務に違反し、明示していない業者を通じて成約に至るときは、依頼を受けた業者は『一般媒介契約』の履行に要した費用を請求することが出来ます。
しかしながら、『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』の場合と異なり、違約金の請求することは出来ません。
④依頼者の通知義務について
【約款第15条】
一般媒介契約においては、自らが発見した相手側と取引すること【自己発見取引】、他の業者を通じて取引することも禁止されておりませんが、専属専任媒介・専任媒介契約と異なり、業者が他で契約をなされたことを知らずに、無駄な努力を防止するための規定となります。
依頼者が、この通知を怠った場合、取引の成立後に依頼を受けた業者が善意で支出した費用があるときは、業者は依頼者に対して、その費用の償却請求が可能です。
3,指定流通機構とは?
①指定流通機構制度の創設について
昭和63年の宅地建物取引業法の改正にて、平成2年5月6日付け、建設大臣指定の不動産流通機構制度が創設されました。
不動産業の各分野の中で、不動産流通業はその重要度を増しており、良好な街づくり、住環境の改善、住宅の質の向上、希少財産である土地の有効活用等のニーズに対応することが望まれた時期でもありました。
当時までは、日本は高度成長期でもあり、色々な問題が山積していたのでしょう。
そのために、不動産業者間で情報が円滑に流通し、最適な相手の間で迅速に、適正な条件で成立することが必要とされます。
それには、広く物件情報が交換(公開)され、契約の相手側を検索できる仕組みが存在し、十分機能することが望まれました。
色々と法改正され、現在は、『国土交通大臣指定』による、不動産流通機構が業界全体を統一する形で設立されました。
②指定流通機構制度の概要について
❶指定流通機構の目的は?
指定流通機構制度は、媒介契約を受けた業者が、一定期間に物件を当該物件の所在地を含む地域を対象として登録業務を行っている指定流通機構に登録している相手方を検索し、売買契約の正確にまた、迅速な成立と依頼者の利益増進を図ることを目的にしております。
❷指定流通機構の成立について
指定流通機構は、『国土交通大臣』の指定により、全国で4機構設立されております。
公益財団法人 東日本不動産流通機構
【北海道・青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県・茨木県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・新潟県・山梨県・長野県】
公益社団法人 中部圏不動産流通機構
【愛知県・岐阜県・三重県・富山県・石川県・福井県・静岡県】
公益社団法人 近畿圏不動産流通機構
【大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県】
公益社団法人 西日本不動産流通機構
【鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県・高知県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県・沖縄県】
❸会員資格要件
指定流通機構の会員になるには、一定の資格要件が必要です。
1⃣ サブセンターの構成員で、宅地建物取引業を営むものであること。
2⃣ 会員となる前6か月以内に宅地建物取引業法における『監督処分』を受けておらず、かつその他の重大な法令違反を犯していないこと。
❹会員の順守事項について
指定流通機構の会員である業者は、機構の各種規程を遵守するとともに、一定の媒介契約を締結した物件の機構への登録義務や、その他の積極的努力義務が課せられます。
1⃣各種利用規程の遵守
❶業務方法書
機構が行う業務の方法を定め、その業務の適正かつ円滑な運営に資することを目的にするもの。
❷倫理規程
会員は、取引の関係者に対し信義を旨とし、誠実に業務を行い、倫理の高揚に努め、公正な取引を推進し、依頼者の利益保護に寄与しなければならない。
❸レインズ利用規程
レインズの利用に必要な事項を定め、機構の健全な運営と信頼性の確保に資することを目的とするもの。
❹紛争処理規程
紛争の処理に関する事項を定め、機構の健全な運営と信頼性の確保に資することを目的とするもの。
❺処分規程
会員の処分に関する事項を定め、機構の健全な運営と信頼性の確保に資することを目的とするもの。
2⃣宅地建物取引業者の義務について
❶指定流通機構への目的物件の登録
業者は『専任媒介契約』『専属専任媒介契約』を締結した時は、その目的物件である宅地建物につき、その物件の所在する圏域を管轄する指定流通機構に登録しなければなならいことになっております。
【宅地建物取引業法第34条の2第5項】
さらに、指定流通機構の『レインズ利用規程』では、専属専任媒介契約は契約締結日の翌日から5日以内、専任媒介契約は同じく7日以内に、その情報を登録することが定められております。
『一般媒介契約』や、『賃貸物件』については、特に法的な登録義務の規程は有りませんが、これらについても指定流通機構に登録するように要請されております。
※レインズ利用規約に記されております。
❷登録証明書の交付
業者は、専属専任又は専任媒介契約物件を機構に登録した場合には、機構から発行される登録を証する書面(登録証明書)を遅滞なく媒介依頼者に交付しなければなりません。
【宅地建物取引業法第34条の2第6項】
なお、依頼者の承諾を得て、書面の交付に代えて電磁的な方法で提供することも可能です。
【宅地建物取引業法第34条の2第12項】
❸業務処理状況の報告
業者は、専属専任又は専任媒介契約について、媒介依頼者に対し『業務処理状況の報告義務』が有ります。
【宅地建物取引業法第34条の2第9項】
報告すべき内容は、契約の相手方を探索するために行った措置としての『指定流通機構への登録』や物件の引き合いの状況等です。
❹売買等の申し込みがあった時の報告について
業者は、購入申込書等の売買・交換の意思が明確に示された文書による申し込みが有った時は、依頼者に対して遅滞なく、その旨の報告する義務が有ります。
【宅地建物取引業法第34条の2第8項】
依頼者の希望条件を満たさない申し込みの場合でも、その都度報告する必要が有ります。
この報告義務は、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の場合でも同様に行う必要が有ります。
③レインズの概要は?
❶物件情報の登録・変更・更新・削除・成約登録
1⃣ レインズに登録できる物件情報は?
①媒介物件 ②自社物件 ③販売代理物件 ④賃貸物件 ⑤成約情報
2⃣登録した物件が成立した場合に、物件登録した業者が成約日・成約価格の『成約登録』
をします。
登録した物件の登録期間を延長する場合は、『更新』の登録を、売り止め又は、他社で成立等の場合、『削除』の登録を行います。
『成約登録』『変更』『更新』『削除』とも其々の事由が生じてから速やかに行うことが義務付けされております。
3⃣物件の登録、変更、更新、削除、成約登録とも、パソコンのオンライン処理画面で作業を行います。
❷物件の検索
指定流通機構への登録された物件の中から、種別や地域、価格等を指定して条件に合ったものを探すことが出来、パソコンの画面上に検索結果が表示されます。
❸成約情報
レインズに登録された物件は、その物件を登録した会員業者から『成約登録』がなされると、成約情報としてレインズサーバーにファイルされます。
成約情報は、取引事例として会員がレインズ端末機から検索が可能で、価格水準等を判断する貴重な情報です。
会員は、種別・地域・沿線・価格帯等を指定して、成約情報を検索できます。
❹その他の事項について
指定流通機構では、登録された情報に基づいて各種統計資料をホームページで公開しております。
この中で、毎月及び3ヵ月ごとなどで、公表される登録状況や成約事例分析等は、不動産市場の動向を知るに有効な資料になります。
4つの指定流通機構における、実際の成約価格を基にした不動産取引情報について、RM
I(レインズ・マーケット・インフォメーション)のサイトで公開されております。
④取引状況管理機能について
平成28年1月から、既存(中古)住宅市場の活性化・消費者利益の保護増進について、取引情報管理機能が導入されました。
❶物件情報項目に取引状況を追加
レインズ登録物件の取引物件情報の状態を表す項目で、『専任媒介契約』又は『専属専任媒介契約』を締結した売り物件の場合、3種類を選択設定できます。
①公開中 ②書面による購入の申し込み ③売主都合で一時紹介の停止
❷登録された物件の情報と取引状況を売却依頼主が直接確認
『専任媒介契約』又は『専属専任媒介契約』を締結した売り物件の場合には、指定流通機構から発行される各種証明書において、物件ごとに付与されたidとパスワードを使用して、売主が自己の売却依頼物件が、どのようにレインズに登録されているのかを、インターネット上で直接確認できるようになっております。
以上が『標準媒介契約』の約款のご説明になります。
一言で言えば、私どもも媒介契約を締結しますが、今回の内容をご説明したうえで、販売活動をしておりますので、ご相談は何時でもお受けいたします。
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