『媒介契約』について①
『宅建業法』を熟知していないとトラブルの原因になります!
『媒介契約』の手続きは専門知識が重要です!
長年、不動産の取引業務を行っておりますと、必ずご売却のご相談を頂くもので、その際に必ず『媒介契約』に関するご説明を行っております。
ご用命頂く際に、地域相場と希望価格を照合するのですが、物価の上昇から見て、最近は『適正価格』であるのか、疑問になることも御座います。
今回ブログは『媒介契約』について考察してみたいと思います。
1,媒介契約とは?
宅地建物取引業者が、宅地・建物の売買や交換する際に、仲介(媒介)の依頼をお受けするのですが、ご依頼される方と不動産会社との契約を『媒介契約』と言います。
宅地建物取引業法では、媒介契約に関する契約関係を明確化し、紛争防止するため、宅建業者が宅地建物の売買・交換の媒介契約を締結したときは、遅滞なく一定時効が記載された書面を作成し、ご依頼された方に交付しなければなりません。
【宅地建物取引業法第34条の2,第1項】
上記の規定は、昭和55年に業法改正により設けられております。
施行は昭和57年ですが、それ以前は媒介契約の契約関係がとても不明確でした。
法律の規定がなく、依頼者とのトラブルが多く、判例において民法の委任の規定、商法の仲立ちの規定を援用していましたが、法律上の扱いは統一されていない状態でした。
契約関係について、殆ど口頭で媒介契約がなされていたため、契約の存否・内容も不明確であり、宅建業者(不動産業者)の間で、仲介手数料の報酬請求にてトラブルが起きていました。
現在も、『宅地建物取引業法』を理解していない不動産業者が、売主に直接営業するといった違反『抜き行為』を繰り返す事態が絶えません。
特に『個人情報保護法』が施行されており、素性の分からない方へ『住所・氏名』等の連絡先を伝えて、トラブルの原因になることは避けたいものです。
世の中、旨い話はないことはないのですが、法律を理解していないと怖いものです。
現在、媒介契約書の交付は、宅建業者の義務ですが、媒介契約が成立していることの証明になるため、報酬請求権を巡る紛争を未然に防止でき、結果として宅建業者の利益につながります。
そうは言っても、日ごろからの売主様の信頼を頂けるよう、日々学んでいかなければなりません。
なお『デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律』に基づく宅建業法の改正により、令和4年5月18日以降は、『書面の交付』に代えて、政令で定める『依頼者の承諾』を得たうえで、当該書面に記載すべき事項を『電磁的方法』であって宅建業者の記名・押印に代わる措置を講ずるものとして、国土交通省で定めるものにより提供することも可能になりました。
【宅地建物取引業法第34条の2,第11項】
2,代理契約とは?
第三者に『代理権』を授与する契約を『代理契約』といい、宅地建物の取引についても、他人に代理権を授与して行えますが、宅建業者が宅地建物の売買・交換の代理の依頼を受けて契約を締結した時は、一定事項を記載した書面を作成して、依頼者に交付しなければなりません。
【宅地建物取引業法第34条の3】
書面の交付に代えて、当該事項を電磁的方法により提供することも可能です。
宅地建物取引の代理は、宅地建物取引業の免許を持つ関連会社間において、一方が売主となる場合、他方がその代理人になる形式が多く、マンション・建売住宅の分譲に多く見受けられます。
3,不動産取引に関連する他の業務との関係は?
宅地建物取引業者に対して、媒介業務のみならず、『金融機関・司法書士・土壌汚染調査機関』等の、不動産取引に関連する多くの専門家と協働し、消費者の意向を踏まえ、不動産取引について全体的な流れを分かりやすく説明し、適切な助言を行い、総合的に調整する関連業務の提供に努めております。
特に、近年は『空き家・空き室』等の増加が大きな課題になり、不動産取引や不動産の利活用の専門家である『宅地建物取引業・宅建士』に対しては、その長年の知識・熟練したノウハウを活かして、お手伝いすることも多くなりました。
具体的に
①空き家空き室等の利活用に係る課題の整理
②空き家空き室等の相続等の権利関係への助言
③空き家空き室等の利活用の方針・提案
④媒介業務に先立ち、上記の内容の総合的な調整業務
⑤空き家空き室等の管理が困難な場合、その管理業務
そのうえで、宅地建物取引業者自らが媒介以外の関連業務を行う場合、①~⑤の業務は、不動産コンサルティング業務を行う場合を含めて、媒介業務とは別に、業務内容・報酬額を明示した書面の契約を締結し、成果物がある場合、書面にて交付する必要が有ります。
これ等の媒介以外の関連業務について、媒介契約との区別を明確にし、媒介契約とは別に、書面等により締結した契約に基づいて報酬を受けることは【宅地建物取引業法第46条第1項関係6】に定め、【宅地建物取引業法第46条第2項】の規定による報酬の制限に違反しておりません。
4,媒介契約と宅地建物取引業法の規制について
①契約内容の書面化
宅建業者は、媒介契約の締結に先立ち、媒介業務を依頼しようとする者に対して、不動産取引の全体像や受託しようとする媒介業務の範囲について『書面』を交付して説明します。
宅建業者は、媒介契約を締結する際には、依頼者に『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』『一般媒介契約』の相違点を十分に説明し、依頼者の意思を十分確認したうえで、媒介契約を締結します。
宅建業者は、媒介契約を締結する際に、売買等の契約当事者の一方からのみ媒介の委任を受けることを依頼者に約した場合、その旨の媒介契約書に明記することになります。
②依頼者への周知について
❶通常の取引の場合、国土交通省が作成した『標準媒介契約約款』を活用します。
❷標準媒介契約約款には、『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』『一般媒介契約』の三種類あり、その選択は依頼者が決める内容となります。
❸媒介業務に対する報酬の額は、告示で定める限度額の範囲内ですが、この場合、報酬の限度額を請求できるものではなく、具体的な報酬額について、宅建業者が行う媒介業務の内容を考慮して、依頼者と協議して決める事項です。
❹宅地建物取引業者が、依頼物件をレインズ(指定流通機構)に登録した場合、当該宅地建物取引業者から、レインズ(指定流通機構)が発行する登録済証の交付を受けられます。
➎依頼者が契約に違反したときは、違約金・費用の償還の請求を受ける場合もありますが、契約書を確認し理解する必要が御座います。
5,不動産売却の流れについて
①不動産の売却手順
❶基礎的調査
❷価格についての査定
❸媒介契約の締結・書面の交付
❹売買の相手方の探索
➎売買の相手方との交渉
➏売買契約の締結・書面の交付
❼立会・決済(引渡し)
②不動産の売却関連する行為について
※専門知識を要するため、専門業者等をご紹介して行います。
❶税務相談
❷法律相談
❸不動産の鑑定評価
❹表示に関する権利調査
➎不動産登記
➏建物状況調査
❼住宅性能評価
❽土壌汚染調査
❾リフォーム相談
6,不動産の購入する流れについて
①不動産購入の流れ
❶希望物件の紹介
❷媒介契約の締結・書面の交付
❸売買(売主側)の相手側との交渉
❹重要事項説明等
➎売買契約の締結・書面の交付
➏立会・決済・引渡し
②不動産の購入に関連する行為
※専門知識を要するため、専門業者等をご紹介して行います。
❶購入時の税務相談
❷法律相談
❸不動産鑑定評価
❹表示に関する登記・権利調査等
➎不動産の登記
➏住宅ローンの設定
❼建物の状況調査
❽住宅性能評価
❾土壌汚染調査
❿リフォーム相談
以上が、『媒介契約』についての基本的なご説明になります。
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