売買契約について❷
『相続』をご理解頂かないと大きな『問題』になります!
『条件付きの契約』ここは認識(知識)が重要です!
前回のブログでは『売買契約』の締結時の『手付』から『契約解除』までについて、ご説明させて頂きました。
今回は、深堀りする内容になります。
当方は簡単に言葉にしやすいのですが、『専門用語』は非常に分かりにくいものです。
なるべく分かりやすくご説明したいと思います。
1,契約の停止条件と解除条件について
①停止条件付き契約
『停止条件付き契約』とは、『一定の事実の発生により契約の効力が生ずる契約』を言います。
【宅地】の売買は、『売主と買主』との間で、『売主を請負人』『買主を注文者』とした、同じ土地上で建物の建築する際の『請負契約』が締結され、『宅地の売買契約』の効力が発生するといった内容になります。
②解除条件付き契約
『解除条件付き契約』とは、『一定の事実の発生により契約の効力が消滅する契約』を言います。
買主が支払うべき代金について『ローン融資の不成立』が確定したとき契約の効力が失効する場合をいいます。
これらの条件付き契約は、不法のなすこと、なさないことを条件とする場合、社会的通念上不可能な事実を停止条件にしたり、債務者の意思のみに係る停止条件を除き、当事者間で自由に決定し締結することが可能です。
2,担保権・用益権の除去抹消について
売買の目的物件に抵当権・先取特権など『担保物権』がついている場合、『被担保債権』の債務者が弁済しなければ、買主は競売により所有権を失うことになります。
目的物件に『他人に対抗できる地上権・地役権』が存ずるときは、買主はそれらの権利による制限を受けます。
契約書において、売主は売買の目的物件について、買主の所有権の行使を阻害する一切の負担を除去しなければならないことを定めます。
上記の場合、被担保権の支払いを従来の債務者である売主が行う前提で、その債務を買主が引き受けてしまう方法になります。
買主の買受代金は、引き受けした債務額を控除した額とする必要があり、売買の準備段階で、負担の制限がなくても売買契約の締結時点、目的物件に制限(差し押さえ等)がなされることもあるので、『売買代金の最終決済の授受の直前に登記記録の閲覧や登記事項要約書の取得等』による確認が必要です
3,危険負担
①売買(双務契約)において
各債務が履行される前に、一方の債務が債務者の責に帰すことができない場合、履行不能になり消滅した場合、他方の債務をどのように扱うのかという問題を『危険負担』と言います。
売買契約後、引き渡し前に目的物件である建物が消失したり、地震により倒壊したり、売主の建物が引渡しできない場合、買主が代金を支払う必要があるのかどうかの問題です。
②『危険負担』について
民法において『当事者双方の責めに帰することができない事由んいより、債務不履行の場合、債権者は反対給付の履行を拒むことができる』
【民法第536条第1項】
建物の売買契約が成立後、引き渡し前に建物が滅失した場合、買主は支払いを拒むことができます。
また、売主の債務の全部の履行が不能である場合、買主は催告することなく契約解除が可能です。
【民法第542条第1項第1号】
契約の解除は、債権者に対して反対債務を免れさせるための制度です。
債務者に過失がなくても解除が可能です。
建物の売買契約の成立後、引渡し前に建物が滅失した場合、滅失が天災地変等である場合など、売主に滅失についての過失がないときでも、買主は支払いを拒み、契約を解除することができます。
③売買については、これに加えて
『その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰すことが出来ない事由によって滅失』したとき
『買主は、代金の支払いを拒むことが出来ない』として、引渡しがなされていれば、危険が移転する定めが設けられております。
【民法第567条第1項】
4,契約当事者の死亡について
①売買契約の締結後、当事者の一方が死亡した場合
契約の効力はどうなるでしょうか⁈
売買契約がいったん締結されると、たとえ当事者の一方が死亡しても、『契約の効力は失効しません』
契約の締結により、当事者には一定の権利義務が生じますが、当事者の死亡によって相続が開始され、それらの一切の権利義務を『相続人』が承継することになります。
被相続人『死亡された方』の有していた権利義務、売主であれば『代金支払い請求権・目的物の引渡し義務・登記の移転義務』、買主であれば『目的物の引渡し請求権・移転登記の請求権・代金支払い義務』などについて、『相続人が承継』することになります。
②相続は⁈
相続の開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継します。
【民法第896条】
買主が死亡し、相続人が複数の場合、買主の代金債務は各相続人に法定相続人に応じて分割され帰属されます。
【民法第902条の2】
売主は、売買代金の金額が支払われるまでは『登記手続きを拒む』ことが出来ます。
そのため、買主の各相続人は登記手続きを行うために、売主に対して全額を支払わなければなりません。
売主が、登記手続きに非協力的の場合、買主の各相続人は訴えを提起して、確定判決を得て所有権移転登記を単独申請で行うことになります。
【不動産登記法第63条第1項】
また、売主が死亡し、相続人が複数の場合、売主の売買代金債権は各相続人に分割して帰属します。
【民法第427条】
売主の登記手続き義務は、各相続人が全部を負担します。
【民法第430条】
売主の相続人のなかに登記手続きに非協力的の者がいるときは、相続人全員でなく登記手続きに協力しない者だけを被告にして訴訟することも可能とされております。
最も、共同相続人のうちの一部だけを被告として登記手続きを確定判決を得ても、判決の効果については、ほかの相続人に及ばず、ほかの相続人との関係では買主は判決による登記の単独申請はできません。
実務上は、売主の共同相続人のうちの一部だけが登記手続きに協力しない場合にあっても、買主は訴訟する場合、共同相続人全員を相手どることになります。
売主側の共同相続の場合、目的物件を共同相続人の一人に対して相続させる旨の遺言(特定財産承継遺言)があり、共同相続人間で遺産分割協議が整い、その目的物件を取得する者が決まった時には、買主はその者を相手に移転登記の請求ができます。
③契約上の権利義務
契約上の権利義務を承継した相続人が、その義務を履行しない場合、反対に相手側が義務を履行しない場合における法律関係は、通常の場合と異なりませんが、共同相続人から、または、共同相続人に対して契約を解除する場合、相続人全員から、または相続人全員に対して、解除権を行使しなければなりません。
【民法第544条第1項】
以上が、『売買契約』に関する内容についてのご説明です。
次回のブログは『売買契約をめぐります紛争』について、考察したいと思います。
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